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第17章 最後のタイムリープ

心結に繋がる情報が、この世界線の記憶の中に浮かび上がった。

それは映画研究会。

白鷺学園の映画研究会は、OBに有名な俳優や女優を多数輩出していることで有名だ。

特待生として、美男美女が全国から集まってくる場所。

そんな華やかな場所で、俺は地味にカメラマンをしている。

志望動機は、美女と触れ合いたいから。

毎度ながら、情けない話だ。

この映画研究会には、ある噂がある。

ネットやゴシップ記事で噂になる程度だが、映画研究会は売春組織ではないか？という話だ。

カメラマンとして活動していても、表向きにはそのような気配はまったくない。

ただ引っかかることがある。

それは映画研究会のリーダーが、涼だということだ。

この世界線の涼は白鷺学園の理事長の息子であり、圧倒的な権力を握っている。

大物政治家や大企業の社長、芸能事務所にも顔が利くのは、偶然ではない気がする。

売春……？

まさかな……

その瞬間、怒りが込み上げてきた。

「また涼かよ……邪魔ばっかしやがって……」

思わず口から言葉が漏れてしまう智樹。