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天狐あやかし秘譚
第95章 実事求是 (じつじきゅうぜ)
仲良さそうにニコニコと語り合いながら歩いていく二人。その後ろ姿を見失わないようにと、ややぎくしゃくとした雰囲気で腕を組み、後をつけていく私達。そんな感じで歩くこと5分。二人は連れ立って、バリ島をコンセプトにしたようなホテル・・・いわゆるラブホテルに吸い込まれていった。

『ちょ・・・さすがに中までは・・・っ!』

どさくさに紛れてホテルに一緒に入ろうとするのに宝生前が抵抗を示す。

『もう、ここまでで十分でしょう!?検証は!』
『え・・・で、でも・・・一緒に中に・・・』
『入りません!これはさすがに経費では落ちませんし!』

きっぱり断られ、しゅんとなってしまう。
そんな・・・こんな可愛い乙女がホテルに誘っているのにっ!

ちょっとだけ頑張ってみたが、結局、私と宝生前のバディはここで解散となってしまった。

『また明日、お部屋に参りますので』
そう言い残して、彼は帰って行ってしまったのだ。
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