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天狐あやかし秘譚
第94章 神機妙算(しんきみょうさん)
占術で、私は確かに一つの結論に達していた。宝生前からすれば、私が夜魂蝶を勧請したのを見て、私が自分と同じ結論に達したことを確信したのだろう。

それだけでもすごい。私は占術という言わば『チート』を使って、やっとその答えにたどり着いたのだ。それを宝生前は話術と観察力だけで導き出したわけだ。やっぱり、宝生前は頭が切れる人にちがいなかった。

「では、せーので、一緒に言うのです・・・せーの!」

「「直日の祝(はふり)」」

若干彼は嫌そうな顔をしていたような気がしないでもないが、私の方が上司だということでどうやら付き合ってくれたらしい。ちゃんと、せーので、意見を言ってくれた。こんなことに付き合ってくれる彼に対していたずら心が湧いてきてしまう。

「では、宝生前さん・・・この次、私が提案することも・・・わかりますよね?」
一瞬、首を傾げかけた宝生前が、すぐに顔を引き攣らせる。
「いや・・・それに私は必要ないのでは?」
「そんなことないのです。この間のことをお忘れですか?私がピューって無茶して、またまた困ったことになったら・・・まあ、大変、なのです!」
「いや、そもそも、無茶しなければ・・・」

無茶しなければいい、などという言葉が私に対して無意味だということを、どうやら彼は悟ったらしい。はあ、と軽くため息をついて、宝生前はコーヒーをまた一口、口に運んだ。

「わかりました・・・よ・・・それで、どうやって見張るんですか?」
「それはもちろん!ここはホテルですよ?素敵な男女がいるんです、それはお部屋を取るに決まっているのです!」

お代は経費で落ちるしね、そう言って私が微笑むと、宝生前はまたも顔を引き攣らせる。しかし、『これは絶対必要なのです』『あなたがいてくれないと万が一の時・・・』などと押しまくると、不承不承ながら承諾してくれた。

彼が頷いてくれたことに、私は小さくガッツポーズをする。その私の視線の先には、店内に飾ってあった生け花の先っちょを、つんつん突っついて遊ぶ菊理媛の姿がしっかりあったのだ。
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