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天狐あやかし秘譚
第94章 神機妙算(しんきみょうさん)
「議員が呪われるということはありそうなことですね」

資料を見ながら宝生前が呟く。たしかにそうだ。人前に出て注目を集めるということもそうだが、政敵などから呪われることも少なくない。こればかりは平安の世から全く変わらない人間の真実である。そんな人達のために、我らが陰陽寮があると言ってもいいくらいだった。

「まずは、呪いの性質を見極め、術者を特定する。その後に解呪をして、術者を捕縛・・・という感じなのです」

言わずもがなの標準的な手続きである。相手が陰陽頭に匹敵するほどの手練でもない限り、私や宝生前の呪的探知をくぐり抜けることは不可能であるので、私達が乗り出した段階で事件はほぼケリが付いたも同じである。

「早く済ませてさっさとデー・・・じゃなくて、打ち上げに行くのです!」
「いや、一日で済むとは・・・」
「貴方と私なら、こんな事件、朝飯前、なのです!」

ただでさえ、先程から耳元で宝生前の渋い声が響いていて、胸がキュンキュンしているところだ。本当ならここで手のひとつでもとって、胸にぎゅっと押し付けたいところであるが、それを『今は仕事中っ』と、ぐっと堪えた私を褒めてほしいものだ。仕事中の身体接触はセクハラ・・・って、いや!こんな可愛らしい女の子に手を取られてセクハラで訴えるとかありえないのですっ!

・・・などと考えている内に宝生前はさっさと荷物をまとめて、資料を自分のアタッシュケースにしまっていた。

「では、参りましょう。土門様の資料によると、対象者はここ1か月ほど、新宿の京王プラザホテルに宿泊とのこと。すでに彼との面会のアポもとってあるようですし・・・」

そう言ってさっさと、せっかく私が用意した二人きりの空間を出て行ってしまった。

ん!もう!宝生前さんたら!

そんなイケズをされても今の私は平気である。なぜなら、私の向かいに座っていた宝生前さんには見えない菊理媛もちょこちょこと宝生前の後をついていくのを見ていたからだ。

まだまだちゃんと・・・運命は私の味方・・・です
次はどんなラッキーが起こるのでしょう・・・楽しみなのです!!

ふふふふふ、と端から聞く人がいたら不気味と思うかもしれない声を上げながら、私は宝生前さんと菊理媛のあとに続いて部屋を出ることにした。
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