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天狐あやかし秘譚
第93章 【第18話:菊理媛】先用後利(せんようこうり)
☆☆☆
そんな風に、昨日は寝落ちしてしまって・・・朝、目が覚めて、のろのろとシャワーを浴びて、おもちゃからコンドームとって、きれいに石鹸で洗って・・・。
なんか、気持ちは良かったんだけど、すごく、すごく一人が身に沁みてしまった。
それに引き換え、日暮はきっと、朝、目が覚めたら目の前に好きな人の顔があって・・・
日暮が見つめていると、御九里もそれに気づいて、薄く目を開ける。
カーテンから射し込む朝の光の中、愛しい彼女の顔が見られて嬉しくなって、優しく微笑んで・・・
『おはよう、美澄』
なんつって・・・。
き〜〜〜っ!
なんて、なんて、なんて・・・羨ましい!!!
「土門様!うるさいですよ!」
し・・・しまった・・・思わず地団駄を踏むように、足をだんだんさせてしまっていた。それを我が衆の『属の四位』である冴守に咎められる。
「うっ・・・だ・・・だって・・・!」
一応言い訳をしようとするが、そんな私を冴守は『いかに業務時間が終わったからと言っても仕事をしている方もいらっしゃるのです』『もう少し節度を保っていただかないと』などと理屈を盾に詰めてくる。
こ、こいつ・・・こいつ、こいつ!!
ムカつくが、反論のしようもなかったので、仕方なく荷物を片付け始める。
特に早く帰る用事もないが、仕事も終わってしまい、やることもない。
しょうがない・・・どっか一人で飲みにでも行くか・・・なのです。
のろのろと用意して、『んじゃ、お先なのです・・・』と言い残し、肩を落として事務室をあとにする。
私、土門杏里33歳・・・こんなにいい女なのに、私の意中の人は、私に見向きもしてくれないのだ。
陰陽寮の玄関に向かうまでに、祭部の部屋の前を通る。扉が開いていたので、未練がましくちらりと中を覗いてしまう。
宝生前さん・・・今日はいないのです・・・
それもまた、私をがっかりさせた。
宝生前桐人(ほうしょうまえ きりひと)さん
私の目下の想い人
陰陽博士であり、陰陽寮祭部衆『属の二位』という位階を持ちながら、東京にある東山大学で民俗学の教授でもある素敵な男性だ。
そんな風に、昨日は寝落ちしてしまって・・・朝、目が覚めて、のろのろとシャワーを浴びて、おもちゃからコンドームとって、きれいに石鹸で洗って・・・。
なんか、気持ちは良かったんだけど、すごく、すごく一人が身に沁みてしまった。
それに引き換え、日暮はきっと、朝、目が覚めたら目の前に好きな人の顔があって・・・
日暮が見つめていると、御九里もそれに気づいて、薄く目を開ける。
カーテンから射し込む朝の光の中、愛しい彼女の顔が見られて嬉しくなって、優しく微笑んで・・・
『おはよう、美澄』
なんつって・・・。
き〜〜〜っ!
なんて、なんて、なんて・・・羨ましい!!!
「土門様!うるさいですよ!」
し・・・しまった・・・思わず地団駄を踏むように、足をだんだんさせてしまっていた。それを我が衆の『属の四位』である冴守に咎められる。
「うっ・・・だ・・・だって・・・!」
一応言い訳をしようとするが、そんな私を冴守は『いかに業務時間が終わったからと言っても仕事をしている方もいらっしゃるのです』『もう少し節度を保っていただかないと』などと理屈を盾に詰めてくる。
こ、こいつ・・・こいつ、こいつ!!
ムカつくが、反論のしようもなかったので、仕方なく荷物を片付け始める。
特に早く帰る用事もないが、仕事も終わってしまい、やることもない。
しょうがない・・・どっか一人で飲みにでも行くか・・・なのです。
のろのろと用意して、『んじゃ、お先なのです・・・』と言い残し、肩を落として事務室をあとにする。
私、土門杏里33歳・・・こんなにいい女なのに、私の意中の人は、私に見向きもしてくれないのだ。
陰陽寮の玄関に向かうまでに、祭部の部屋の前を通る。扉が開いていたので、未練がましくちらりと中を覗いてしまう。
宝生前さん・・・今日はいないのです・・・
それもまた、私をがっかりさせた。
宝生前桐人(ほうしょうまえ きりひと)さん
私の目下の想い人
陰陽博士であり、陰陽寮祭部衆『属の二位』という位階を持ちながら、東京にある東山大学で民俗学の教授でもある素敵な男性だ。

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