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天狐あやかし秘譚
第88章 昼想夜夢(ちゅうそうやむ)
まるで月の光をそのまま固めたような白亜の城。
その中にある王宮守護の騎士のために用意された部屋、その天蓋付きのベッドに、ミスリルはそっと横たえられる。
室内に満ちる月の光が、ミスリルの頬を水底の青に染める
小さな寝息をこぼす唇
心配そうにその顔を見つめるガジョーの深い、深い愛に満ちた優しげな瞳
誰に聞かせるともない、愛の言葉を囁いて・・・
唇が・・・唇が・・・そっと・・・
「きゃあああああ!!!!」
じたじた、ばたばた、ごろごろ!
あまりにも甘い己が妄想に悶え、日暮はベッドの上を転げ回る。
キス!キス!!!
き・・・キスしちゃうのぉっ!!
小説の筋立てを考えていたはずが、いつしか、頭の中のイメージが、自分と御九里との逢瀬に置き換わっていく。
こんな時・・・思い出すのは、あの時のシーンだ。そう、人身売買組織に捕まってしまったところを、御九里が助けてくれた、あの夜のワンシーン。脳裏に刻まれ、何度も何度も反芻していた。それは、日暮にとって、大切な大切な思い出だった。
◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯
気を失っていた私は、身体が揺さぶられ、ゆっくりと目を覚ます。
ここは・・・どこ?
たくましい腕に抱き上げられているみたい。ゆらゆらと揺れる感触が心地良い。
温かい胸にぎゅっと頬が押し当てられている。
ドクン、ドクンと規則正しい心音
男の人、特有の匂い
熱い体温
それらがまるで私を包み込むかのようだった。
何が起こってるかわからないまま、私はそっと目を開く。
『目が・・・覚めたか?』
月明かりがあなたの髪をキラキラと照らす。
耳のピアスが青い月光にさらされて神秘的な光を放つ。
心配そうに私を見つめる、その優しい瞳・・・
◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯
その中にある王宮守護の騎士のために用意された部屋、その天蓋付きのベッドに、ミスリルはそっと横たえられる。
室内に満ちる月の光が、ミスリルの頬を水底の青に染める
小さな寝息をこぼす唇
心配そうにその顔を見つめるガジョーの深い、深い愛に満ちた優しげな瞳
誰に聞かせるともない、愛の言葉を囁いて・・・
唇が・・・唇が・・・そっと・・・
「きゃあああああ!!!!」
じたじた、ばたばた、ごろごろ!
あまりにも甘い己が妄想に悶え、日暮はベッドの上を転げ回る。
キス!キス!!!
き・・・キスしちゃうのぉっ!!
小説の筋立てを考えていたはずが、いつしか、頭の中のイメージが、自分と御九里との逢瀬に置き換わっていく。
こんな時・・・思い出すのは、あの時のシーンだ。そう、人身売買組織に捕まってしまったところを、御九里が助けてくれた、あの夜のワンシーン。脳裏に刻まれ、何度も何度も反芻していた。それは、日暮にとって、大切な大切な思い出だった。
◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯
気を失っていた私は、身体が揺さぶられ、ゆっくりと目を覚ます。
ここは・・・どこ?
たくましい腕に抱き上げられているみたい。ゆらゆらと揺れる感触が心地良い。
温かい胸にぎゅっと頬が押し当てられている。
ドクン、ドクンと規則正しい心音
男の人、特有の匂い
熱い体温
それらがまるで私を包み込むかのようだった。
何が起こってるかわからないまま、私はそっと目を開く。
『目が・・・覚めたか?』
月明かりがあなたの髪をキラキラと照らす。
耳のピアスが青い月光にさらされて神秘的な光を放つ。
心配そうに私を見つめる、その優しい瞳・・・
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