この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
天狐あやかし秘譚
第88章 昼想夜夢(ちゅうそうやむ)
まるで月の光をそのまま固めたような白亜の城。
その中にある王宮守護の騎士のために用意された部屋、その天蓋付きのベッドに、ミスリルはそっと横たえられる。

室内に満ちる月の光が、ミスリルの頬を水底の青に染める
小さな寝息をこぼす唇
心配そうにその顔を見つめるガジョーの深い、深い愛に満ちた優しげな瞳

誰に聞かせるともない、愛の言葉を囁いて・・・
唇が・・・唇が・・・そっと・・・

「きゃあああああ!!!!」

じたじた、ばたばた、ごろごろ!

あまりにも甘い己が妄想に悶え、日暮はベッドの上を転げ回る。

キス!キス!!!
き・・・キスしちゃうのぉっ!!

小説の筋立てを考えていたはずが、いつしか、頭の中のイメージが、自分と御九里との逢瀬に置き換わっていく。

こんな時・・・思い出すのは、あの時のシーンだ。そう、人身売買組織に捕まってしまったところを、御九里が助けてくれた、あの夜のワンシーン。脳裏に刻まれ、何度も何度も反芻していた。それは、日暮にとって、大切な大切な思い出だった。

◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯
気を失っていた私は、身体が揺さぶられ、ゆっくりと目を覚ます。
ここは・・・どこ?
たくましい腕に抱き上げられているみたい。ゆらゆらと揺れる感触が心地良い。
温かい胸にぎゅっと頬が押し当てられている。

ドクン、ドクンと規則正しい心音
男の人、特有の匂い
熱い体温
それらがまるで私を包み込むかのようだった。

何が起こってるかわからないまま、私はそっと目を開く。

『目が・・・覚めたか?』

月明かりがあなたの髪をキラキラと照らす。
耳のピアスが青い月光にさらされて神秘的な光を放つ。
心配そうに私を見つめる、その優しい瞳・・・
◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯ー◯
/1348ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ