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unbalance
第34章 歯磨き
「歯磨き……」
相変わらず眠そうに、相馬がのそのそと起き上がる。
「霧野とキスしたいもんな……」
「も、もう寝るんでしょ」
「キスまではいいんでしょ?」
相馬がベッドのふちに足を下ろして、重たそうに体を起こし、こちらに手を伸ばした。
私の頬に触れる。
「霧野、すっぴんだ」
「あ、こ、これは」
私が言い訳をする前に、
「可愛い」
そのひとことに、すべてを封じ込められる。
「霧野」
相馬に肩を引き寄せられ、せっかく起き上がったのに、二人でベッドに倒れ込む。
「ちょ、ちょっと」
相馬の上に完全に体重を預けてしまって、慌てて身を起こすと、
「霧野、軽すぎん? ちゃんと食べてる?」
相馬が両手で私の体を――ちょっと! どこ触ってんの!
ベッドから離れようとしたけれど、相馬がそれを許さなかった。
私をぐっと引き寄せて、またベッドの上に転がって、抱き締める。
「霧野」
あ、相馬――勃って、る。

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