この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
unbalance
第31章 目元
「好みとかある?」
マスターさんが私に聞く。
「甘いのが好きとか、すっきりしたのが好きとか」
「じゃ、じゃあ……」
たぶん、酔って気が大きくなっていた。
もしかしたら、ひとしきり泣いて、胸のつかえを相馬に曝け出して、ヤケになっていたのかもしれない。
「なんか強くて飲みやすいやつ、お願いします!」
マスターさんは笑って、
「女の子自らレディキラーを頼むかあ」
レディキラー? 何それ?
お酒弱い女の子は死んじゃうってこと?
それって性差別だと思います!
お酒強い女も、お酒弱い男子もいるよ!
相馬が横から嘴を挟む。
「弱めに作ってやってください。こいつそんなに強くないんで」
「失礼な。私だって飲めるし」
「こないだはビール三缶で泥酔してたじゃん。ここ来る前にももう飲んできたんだろ? 無理すんなって」
「あ……の日はちょっと疲れてたの! あと、接待でお酒飲むの楽しくないから最初のビール一杯しか飲んでない! 三時間も前!」
私が相馬に歯向かうのを聞いて、マスターさんが、あーそれくらいね、と一人で納得して去っていった。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


