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淫夢売ります
第51章 無邪気な淫魔:抱擁
今・・・今触れられたらっ!!

今触れられたら、自分の理性が吹っ飛んでしまうことは想像に固くなかった。そうしたら、私はたとえ衆人環視の中だとしても、目の前の女に襲いかかってしまうだろう。

「あの、駅員さん、呼びましょうか?」
「大丈夫か?」
「え?なに?急病?」

周囲の人も私の異変に気づき出した。その時、車内アナウンスが流れ、電車が次の駅についたことを知らせる。

「だ・・・大丈夫ですっ!」

荷物をぎゅっと抱きしめ、寸でのところで、私は身をかがめたまま電車から飛び出した。全く降りる予定の駅ではなかったが、後ろで電車の扉が閉まったとき、やっと息をつくことができた。

なんだ・・・今のは?

まだ、胸がドキドキしていた。体調が悪い、というわけではないのは明確だった。先ほど感じたのは、身体の不調などではない。明確な『性欲』だった。

その後、なんとか出勤をすることができた私だったが、様々なところで、この異常なまでに亢進した『性欲』を感じることになる。

急いで電車に駆け込んできて、汗を拭っている若いOLの首筋を見た時
むっちりとした肉付きの良い子連れの母親の尻を見た時
女子中学生の集団とすれ違いざまにむせ返るような思春期の女児の匂いに晒された時

同じように目の前が真っ赤になり、身体が震えるほどの『欲望』を感じるのだ。

学校の中では更に酷い状態だった。
女子校だ。右を見ても、左を見ても女子高生がたむろしている。今までは全く感じることはなかったが、そのひとりひとりが強い『女の匂い』を放っている。

嗅覚が異常に鋭敏になっている感じだった。
その匂いが腋の下や股間あたりから強く匂い立っていることすら、わかるようになっていた。

視覚も同じくらいに敏感だった。
振り返りざまに垣間見える白いうなじや夏服の袖から伸びる腕のみずみずしさ、廊下を駆ける生徒のふくらはぎの曲線・・・その全てが異常なまでの『興奮』のスイッチとなり得た。

一時間目の授業をしようとしたが、あっという間に立ち行かなくなる。
理性を保つことが難しくなってしまったのだ。
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