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淫夢売ります
第50章 無邪気な淫魔:口づけ
「お客さん?もしよかったら、何かお話しましょうか?」
グラスを布巾で拭いながら、オーナーが言ってきた。オーナー自身も退屈なのかもしれない。
「何か・・・?ああ、そうだね・・・こんな夜だ。怪談でも?」

真っ暗な部屋でオレンジ色のLEDランプが灯る中、怪談話・・・などというのは割と俺の好きなシチュエーションではあった。あいつは怖い話が嫌いだから、いない今のうちなら、という思いもあった。

「カイダン・・・?ああ、怪談。そうですね・・・まあ、怖いと言えば怖い話、ちょっと不思議で、ちょっと大人めの話があります。それでいいですか?」

わざとゆらぎを演出しているLEDランプの光がふらりと揺れる。その光がオーナーの顔に奇妙な陰影をつけた。

「昔ね、そうですね・・・東京のとある女子校に赴任した男の話をしましょう。その男は40代そこそこでね・・・」

オーナーは、ゆっくりとした口調でその奇妙な物語を語り始めた。
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