この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
淫夢売ります
第29章 白の花園:閉ざされた庭園
「ここが、私のお部屋よ」
部屋は広く、天井には花の蕾を模したような明かりが据え付けられていた。今は昼間で正面の窓から燦々と陽が入ってくるので、そこに明かりが灯っていることはない。
左手には天蓋付きのベッドとベッドテーブル、右手の壁には、洋タンスと鏡台、手前に開くと机になるような家具(後で調べたところでは、ライティングビューローというそうだ)が据えられていた。

部屋の中央には丸いテーブルがひとつに椅子がふたつある。
そして、テーブルの上には古びた洋書が一冊、置かれていた

先日訪れた部屋もそうだが、どれもが濃茶を基調としたアンティーク調の家具で統一されており、とても素敵な感じだった。

「素敵・・・」

まるでお話の中のような、そんな部屋。
それが率直な印象だった。

「ね、座って、座って」

ユミは私を椅子ではなく、天蓋付きのベッドの方に誘った。
外着でベッドに座るのは多少の抵抗があったが、ユミがそのままの格好で座っているので、私もそれに習うことにした。

ベッドはスプリングが効いていて、ぽよん、とした良い座り心地だった。何気なく撫ぜたシーツの肌触りもよく、質の良いものであることを想像させる。

シーツを撫ぜていた私の手に、そっとユミの手が重なった。
「来てくれて、ありがとう・・・」

へへ・・・と笑って私の方を見てきた。
その目がちょっとだけ潤んでいるような気がした。
その顔が私の方に近づいてくる。

「ユミ・・・ちゃん?」

まずい、と思ったときには、私の唇は彼女のそれで奪われていた。柔らかな感触、髪の毛が揺れ、シャンプーの良い匂いがした。

「ん・・・」
ユミが目を閉じ、私の首に手を回してくる。唇に唇をそっと押し付けるような優しいキス。最初は少しだけ身体を固くした私だったが、すぐにその心地よさに肩に入っていた変な力が抜けていく。

自然と閉じるまぶた。
そして、目を閉じると、余計に敏感にユミの唇の感触を感じてしまう。

あっ・・・

唇が離れたかと思ったら、ちろりと、ユミの舌が私の唇を舐めてきた。
優しく、唇の際をなぞるようなキス。
こんなキス、もちろんされたことなんかなかった。
唇を舐められるという未知の感触に、ドキドキしてしまう。
/326ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ