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第12章 第12章　由香

1杯目を飲み終わった由香の湯呑を見て
坂東が手を上げ　背の高いスリムな娘が近寄り
坂東は指を4本立て、娘が暖簾の奥に消え
お盆に湯呑を4つ乗せ、忠達の前に置いた
少し頬を染めた由香が忠を見て来る

「　今夜はもう、寝るだけですから　」
坂東が由香の目を見て薦め　由香は湯呑を
口に運んだ　大柄な坂東の巧みな話に由香は
笑顔を出して、時折大きな笑い声に成り
忠の心臓が早鐘の様に早く打ち始め、視野が
狭く成ってきた、綾乃さんの顔が2重3重に見え
坂東が立ち上がり

「　そろそろ、部屋に・・・　」
坂東はそのまま由香の傍に立つと

「　お部屋に行きましょう　」
耳元で囁いた　浴衣から見える首筋が赤く染まった
由香はとろんとした目で立ち上がり、忠に手を引かれ
食堂の脇の通路を通り、路地を降りて行った