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礼節の交わり
第1章  
りーん……。
りーん、りーん……。
鈴虫の音が耳に入った。
「大丈夫……ですか……?」
下腹部の感覚に集中していた小夜子は、我に返った。
水上が遠慮がちに上から覗き込んでいる。
「は……い……」
小夜子は何とかうなずいた。
「動いてもよろしいですか……?」
「は……い……」
小夜子は目を閉じた。
水上がゆっくりと退き始める。
小夜子の意識が、また否応なしに下半身に向けられる。
小夜子の中を埋めていたものが、徐々に無くなっていく。
しかし、それは小夜子の内壁を大きく擦りながらだ。
柔らかく太い胴体の表皮が小夜子の粘膜を圧迫し、擦り続けながら退く。
胴体より太い頭のくびれの裏が、粘膜をめくり上げる。
ぞぞぞぞっ……。
背中を走るものがある。
止まり、また頭が戻って来る。
また、うねうねと、わずかに蛇行を繰り返し、徐々に入り込んでくる。
そして、奥に閊え、そこからまた、追い打ちを掛けるように残りの胴体が押し込まれた。
「んぐぁ……」
硬い先端で、子宮の下を突かれるときの感覚は知っている。
脳天を突き抜けるほどの鋭い快感だ。
しかし、水上が与えるものは違った。
点で突かれる刺激ではなく、面を重圧を掛けられながら擦り上げられる刺激だ。
突き抜ける一瞬の快感ではない。
じわじわと蓄積していく快感だ。
それも、中に入って動いている限り、いつまでもそれは続く。
水上はゆっくりとそれを繰り返す。
もどかしいほど、ゆっくりと。
胴体が退く。
「はあぁぁ……」
吐息が長く漏れてしまう。
頭が戻ってくる。
奥に閊え、ぐぬり、と、後から胴体が押し込まれる。
「はうっ」
息が短く吐き出される。
水上は、無言で、ゆっくりと同じ速さで動き続けた。
「はあぁぁ……はうっ……はあぁぁ……はうっ……」
小夜子の口から規則正しく漏れる声だけが、部屋の中に響く。
小夜子の中に快感が蓄積されていく。
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