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それぞれの後編
第20章 サディスティック・マリッジ【あとがきのあと】

赤くなったり、蕩けた顔を見せたり。かと思ったら、真っ青になって首を振ったり。
愛里咲の百面相に、坂本の口元が弧を描く。
それに気付いた松田は、坂本を諌めるかのように歩を進め、愛里咲に封筒を手渡した。
「報告書提出の督促、来てるわよ」
松田から渡されたのは、もうお馴染みとなった漆黒の封筒。
宛名と共に書かれた 『報告書 督促状』の文字に、副社長が愛里咲で遊んでいるのが丸わかりだ。
だが、受け取った愛里咲は言葉を発することも出来ずにブルブルと震えている。
「督促?だって期限はまだ先のはず」
震える手で開いた封筒の中には、
『先輩カップルの報告書、受け取りました。
夏川夫妻はまだですか?
報告書、楽しみにしています。
楽しみ過ぎるから、期限は明日まで』
白い和紙に毛筆で書かれた副社長直筆の督促状。
子供をからかうかのようなそれらに、
「あ、明日まで⁉︎ やだ!無理!」
涙を浮かべて混乱する愛里咲も、巻き添いをくらい素直に佐藤に致した根岸も、松田にとって可愛い後輩。若さ故の素直さをついからかい遊びたくなる副社長の気持ちもわからなくない。
そしてそれは松田だけではなく、坂本も同じ。
「佐藤さんの涙目に悶える女子社員多数!次は夏川くんかと期待が高まってるわよ」
「ひぃっ!」
坂本の言葉に、ついに涙を零した愛里咲。
「夏川くんの処女を誰にも渡したくないなら覚悟を決めなさい」
負けじと松田も追い討ちをかける。
「ま、松田さんの旦那さんはそっちは ”処女” さんですか?」
「うーん…ヒミツ♡」
「え?」
まさか⁉︎ と顔を赤くする愛里咲。もっとからかってやろうと企む坂本の視界が琉を捉える。
愛里咲の百面相に、坂本の口元が弧を描く。
それに気付いた松田は、坂本を諌めるかのように歩を進め、愛里咲に封筒を手渡した。
「報告書提出の督促、来てるわよ」
松田から渡されたのは、もうお馴染みとなった漆黒の封筒。
宛名と共に書かれた 『報告書 督促状』の文字に、副社長が愛里咲で遊んでいるのが丸わかりだ。
だが、受け取った愛里咲は言葉を発することも出来ずにブルブルと震えている。
「督促?だって期限はまだ先のはず」
震える手で開いた封筒の中には、
『先輩カップルの報告書、受け取りました。
夏川夫妻はまだですか?
報告書、楽しみにしています。
楽しみ過ぎるから、期限は明日まで』
白い和紙に毛筆で書かれた副社長直筆の督促状。
子供をからかうかのようなそれらに、
「あ、明日まで⁉︎ やだ!無理!」
涙を浮かべて混乱する愛里咲も、巻き添いをくらい素直に佐藤に致した根岸も、松田にとって可愛い後輩。若さ故の素直さをついからかい遊びたくなる副社長の気持ちもわからなくない。
そしてそれは松田だけではなく、坂本も同じ。
「佐藤さんの涙目に悶える女子社員多数!次は夏川くんかと期待が高まってるわよ」
「ひぃっ!」
坂本の言葉に、ついに涙を零した愛里咲。
「夏川くんの処女を誰にも渡したくないなら覚悟を決めなさい」
負けじと松田も追い討ちをかける。
「ま、松田さんの旦那さんはそっちは ”処女” さんですか?」
「うーん…ヒミツ♡」
「え?」
まさか⁉︎ と顔を赤くする愛里咲。もっとからかってやろうと企む坂本の視界が琉を捉える。

