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それぞれの後編
第20章 サディスティック・マリッジ【あとがきのあと】

「そ、それは…っ」
タオルを受け取ろうと出した佐藤の手が震える。その瞳は愛里咲の腕の中の漆黒を捉え、恐怖に慄いていく。
「?どうぞ、使って下さい」
尋常ではない佐藤の様子に首を傾げながら、愛里咲はタオルを佐藤の手へと渡した。
「〜〜〜〜っ‼︎‼︎‼︎ ぎゃあぁぁああ!」
タオルを突き返し、お尻を押さえながら、佐藤は猛ダッシュで走り去る。
「え?え?」
1人取り残された愛里咲が漆黒の箱を持ったままキョトンと立ち尽くしていれば、そこに、
「佐藤さん。根岸にズブっとやられたらしいわよ」
満面の笑みを浮かべて現れた坂本が、愛里咲の腕の中の漆黒の包みをコンコンと叩く。
「ええっ⁉︎ 」
だから佐藤さんお尻を押さえて…と、今更ながら愛里咲の中で合点がいく。
だけど…
(そんなに?怯えるほど?)
”琉に強要された” とはいえ、愛里咲だって経験がある。
結婚祝いと称し、副社長が琉に与えたもの。いくつもの小さなボールのついたそれを、最初は戸惑い拒絶したけれど…そう。そんな道理がまかり通る相手ではない。だから、愛里咲にとって ”無理矢理された” その行為。
なのにいつしか翻弄され、甘い声を上げていた。否。翻弄 ”させられ”、甘い声を上げ ”させられて” いた。
頭の中で肯定と否定を繰り返しながらも、佐藤の怯える様を思い出し、愛里咲は首を傾げる。
比べれば、この包みの中身は大きく太いけれど…
(男と女は感じ方が違うのかな?だって、別に、嫌じゃ、なか───…ってダメダメ!あれを肯定したら更に恐ろしいことになるんだから!)
タオルを受け取ろうと出した佐藤の手が震える。その瞳は愛里咲の腕の中の漆黒を捉え、恐怖に慄いていく。
「?どうぞ、使って下さい」
尋常ではない佐藤の様子に首を傾げながら、愛里咲はタオルを佐藤の手へと渡した。
「〜〜〜〜っ‼︎‼︎‼︎ ぎゃあぁぁああ!」
タオルを突き返し、お尻を押さえながら、佐藤は猛ダッシュで走り去る。
「え?え?」
1人取り残された愛里咲が漆黒の箱を持ったままキョトンと立ち尽くしていれば、そこに、
「佐藤さん。根岸にズブっとやられたらしいわよ」
満面の笑みを浮かべて現れた坂本が、愛里咲の腕の中の漆黒の包みをコンコンと叩く。
「ええっ⁉︎ 」
だから佐藤さんお尻を押さえて…と、今更ながら愛里咲の中で合点がいく。
だけど…
(そんなに?怯えるほど?)
”琉に強要された” とはいえ、愛里咲だって経験がある。
結婚祝いと称し、副社長が琉に与えたもの。いくつもの小さなボールのついたそれを、最初は戸惑い拒絶したけれど…そう。そんな道理がまかり通る相手ではない。だから、愛里咲にとって ”無理矢理された” その行為。
なのにいつしか翻弄され、甘い声を上げていた。否。翻弄 ”させられ”、甘い声を上げ ”させられて” いた。
頭の中で肯定と否定を繰り返しながらも、佐藤の怯える様を思い出し、愛里咲は首を傾げる。
比べれば、この包みの中身は大きく太いけれど…
(男と女は感じ方が違うのかな?だって、別に、嫌じゃ、なか───…ってダメダメ!あれを肯定したら更に恐ろしいことになるんだから!)

