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濡れた砂漠の村
第1章 その村への旅
フクロウのような鳥の声が聞こえる。月が満ちている。廊下から誰かのカサカサとした足音が聞こえる。私は自分が正常の状態に戻ったことを悟る。ふと彼の方を振り向くと、優しい瞳で私を見つめている。

「やっと、体が、冷えてきた。」

私達は欲望に支配されない、労りとか慈しみの思いで口づけをする。お互いを抱きしめ合い、優しく撫でる。お互いのことが好きだと何度も言い合う。何時間飲まず食わずでいたのかわからない。お腹がグゥと音を鳴らす。食堂はもう、閉まっている。近くの村の夜店に行くことにする。

手を繋いで10分ほど歩く。電球に照らされているのは、遅くまで働く労働者たち向けの簡易の屋台だ。ハンバーガーやスナックなどを売っている。みな立ち食いで、常連なのだろう。世間話をしながら、私たちは驚くほどの食欲でチーズバーガーにかぶりつく。田舎風のポテト、レモン味のソーダ、そして平たいドーナツのような揚げ菓子に、甘い蜜やチョコレートソースをかけたデザートを追加する。

全ての欲が満たされ、私達は微笑みをたたえながらベッドに横になる。今日の最後と決めて、優しく、ゆっくりとした、慈しみ合いのセックスをする。皮膚がヒリヒリと擦れる。その部分を入念に濡らすように気をつけながら、愛し合う。ほどなくして、砂漠に湧き出るオアシスのように、ゆっくりと流れる小川のような射性がおこる。そして私の中が潤ってゆく。眠りにつく準備をする。手作りオイルでお互いを労わりあい、そしてとても平和な眠りへとおちてゆく。
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