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生きること、思うこと
第388章 主治医Ⅲ

「新しい先生は女性で名前を佐々木さんて言うんだよ…」
「佐々木先生?優しい人?」

「あぁ、優しい人だよ…」

優しい先生だと聞いて少し安心しましたが、やはり今の主治医と別れるのはちょっと淋しくもありました。

今から22年前、私の母が亡くなった時私は酷い“喪失鬱”になってしまいました。

そんな時でも主治医は私に寄り添い、薬を処方してカウンセリングを受けるようにと言ってくれました。

その甲斐あってか、時間は掛かったものの徐々に私は自分を取り戻し良い方へと回復していったのです。

主治医とカウンセラーの先生には感謝の言葉しかありません。
あの時、今の主治医が居なければ私はあの悲しみを乗り越える事は出来なかったと思います。

この日も主治医はちょっと変わったシャツを着ていました。
もう、この85歳の主治医のちょっと変わったセンスをした服を見るのも見納めなのかと思うと淋しくなります。

85歳にして未だに“マリリン・モンロー”のプリントされたTシャツを着るのです。
そのTシャツをさりげなく着こなすのです。

本当に主治医の服のセンスには微笑ましいと言うか何と言うか(笑)
そんな私の考えをよそに主治医は私に問いかけます。

「最近はどうだい?」
「最近?いつもと変わらず自宅を離れると不安感が物凄いです…」

「夜は眠れてるのかい?」
「中途覚醒が毎日の様にありますね…」

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