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第8章 新しい　夫婦生活

窓の外に見える　山の稜線が黄昏の空に
溶け込む様に消えて行く　旅館の食堂
半個室の席で向かい合い　隼人が差し出す
徳利の地酒を受け　一口
やや辛口の酒が喉を転がり落ちる

・・・美味しい・・・・

隼人に徳利を差し出し　笑顔でお猪口を
差し出して来る、地酒を注ぎ目の前の
御造りに箸を伸ばした

静かな夕食、時折目を合わせ、お互い徳利を差し出し
気が付いた時には　二本目の地酒がテーブルに
日の落ちた窓の外　庭園を彩る街灯が　庭木を
浮かばせ　陽子は隼人に視線を送り

ーー　今夜は　一緒　ーーー

隼人が見つめて来る　陽子の浴衣から覗く
胸元がほんのり色付き、隼人の視線が
雄に変わった

「　行こうか　！！　」

隼人が立ち上がり　陽子は隼人の腕に　
腕を絡め部屋へ　扉を開け和室へ戻った、
露天へ続く窓は　外の暗闇で鏡の様に　室内に立つ
二人を映し出していた、隣室へ続く襖は締められ
床の間から一筋の香の煙が立ち昇り、
心を落ち着かせる香りが鼻孔を擽る　陽子の顎に
手が掛けられ顔を上げ、隼人の体に手を回す

・・・私の　隼人・・・・