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想い人
第9章 【続】第四章・一周年の想い人
「美空、顔真っ赤」

フッと優しく笑う透也に、心臓がまた慌ただしく動き出した。



「……いつか、美空の味噌汁を毎日飲めるような関係になりたい」


「え?」

真剣な透也の瞳……吸い込まれちゃいそう。


ねぇ、それって……


「でもほら、この前美空のお父さんに”20歳過ぎるまでは嫁にやらん”って言われたから」

「え? お父さん、そんな事言ったの?」

もー、お父さんてば‼︎

せっかくいい雰囲気だったのにぃ‼︎


膨れた私の頬に、透也の手がそっと触れた。

「だから、もう少し我慢する」

「……じゃあ私も我慢する」

チュッと軽く触れ合う唇。


「……”美空に似た可愛い女の子”はもう暫くお預けだな」


「え? 何?」

ボソッと呟いた透也の言葉が聞き取れなくて聞き返したのに、

「何でもない」

「気になるーっ‼︎ 」

意地悪く笑った透也は口を噤んでしまった。


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