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想い人
第9章 【続】第四章・一周年の想い人
お腹いっぱいピザを味わったけれど、透也の部屋に戻ればカップケーキでお祝いをした。

今日の私は食べ過ぎな気がするよ。

透也だって結構食べているのに、

「うん、美味い!」

と食べてくれる。


「良かったぁ! これのせいで、大変な目に合ったからね」

吐き気と戦った日々を思い出しては身震いしてみせる。


「真っ青な顔してたもんな。あんなにおとなしい美空、初めて見たかも」

「あれ以来プリン恐怖症! 今だにプリン食べれない」

「そうだったんだ」

苦笑いの透也。


カップケーキは平気だけど、プリンは見ただけで吐き気がするの。

好きなものが一つ減るって悲しいよ…。


「透也は苦手な食べ物とかないの?」

「うーん…特にないかな」

「じゃあ、一番好きな食べ物は?」

聞いてからハッとする。


(………味噌汁)

私の作る味噌汁を好きだと言ってくれた透也を思い出して、頬が熱を帯びていく。


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