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想い人
第9章 【続】第四章・一周年の想い人
パシッ
ピザへと伸ばした手が掴まれて止められた。

「ムッ⁉︎」

あと一歩!
もう少しで届きそうなピザに向け、必死に手を伸ばす。


「美空、これ、受け取って」

今だピザへと進もうとする私の手を、透也はギュッと握った。

そして、手から手へ封筒のようなものが渡される。


「……これ……」

促されて封筒を開ければ中から出て来たのは、テーマパークのチケット!


「夏休みに2人で行こう?」

ゆらりと透也の顔が、涙でぼやける。

「うん‼︎ 」

人目も憚らず、透也の腕に抱き着いた。


ずっと2人で行きたいって言ってた場所、透也、しっかり覚えててくれたんだ。


「泊まりだよ?」

「うんっ」

夢にまで見た、透也と2人きりのテーマパークデート。

しかもお泊りだなんて、そんな贅沢な旅行が待ちきれないよ‼︎


「早く夏休み来ないかなぁ」

ワクワクする。

なんかそれだけでお腹いっぱいだよ。

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