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想い人
第9章 【続】第四章・一周年の想い人
「つまんなかった?」

手を繋ぎ、映画館を出て歩きながら、透也が私の顔を覗き込む。

端正な顔のどアップに……鼻血出そう!


「まさか! つまんないとかわかんないくらい最初っから最後まで爆睡してた!」

顔と手をブンブン振りながら、慌てて弁解すれば、

「ぶっ…」

吹き出す透也。

うー…笑ってる顔は最高に好きだぁ。


「疲れてるなら予約の時間まで俺の部屋で少し休む?」

いつもの優しい笑顔でそう言う透也。

ダメダメ、記念すべき1周年なんだから!

休んでたら勿体無いもん、楽しまなきゃ!


「さっき爆睡したから大丈夫」

そう言って笑えば、透也は呆れたように笑い返してくれる。

その顔も好きだぁっ‼︎


「じゃあ、どこ行こっか?」

「ネクタイ見ようよ、透也にプレゼントしたいの!」

「え? いいよ」

「ダメ! 透也は私のものですっていう首輪の代わりなの。行こ行こ」

「首輪⁈ ペットかよ…」

遠慮する透也の手を引いて、ショッピングモールへと歩き出す。


そうして、透也と2人で暫く買い物を楽しんだ。

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