この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ただ一緒に居たいだけ
第17章 新しいカタチ

恵吾さんの成長は、
他のお子様よりゆっくりではあったけど、
その分、濃密な「親子関係」を築けたような気がした。
一番最初に口にした言葉は、
ママだった。
嬉しくて泣いてしまったその日のことは今でも鮮明に覚えている。
慎吾さんのことを、
パパと呼んで、
健吾さんのことも、
パパと呼んだ時は、
3人でキョトンとした後、笑ってしまった。
「いや、ジジで良いのにな?」と優しい顔で健吾さんが言って、
恵吾さんを抱き上げていた。
何にでも興味を持つ子で、
思いっきり絵を描いては紙からはみ出るので、
大きな模造紙を壁や床にセットして描いたり、
ピアノを一緒に弾いて歌ったりもした。
運動が苦手な私はお弁当を作って、
4人で出掛けて、
男3人が走り回ったり、
泳いだりするのをのんびり観たりしながら、
パラソルの下で過ごした。
幼稚園の入園式も4人で行って、
運動会やお遊戯会も出来るだけ3人で見守っていた。
スキー場では、
恐る恐る私も初心者クラスに入って滑って全身筋肉痛になってしまって、
「ソリの方が良いな」と言うと、
恵吾さんは、
「ママ、可愛い」と言って冷たい頬にキスをしてくれた。
恵吾さんがあっという間に幼稚園を卒園して、
地元の小学校に入学した頃には、
慎吾さんは東京の大学を辞めて、
名古屋の大学で教えるようになっていた。
准教授になり、少し忙しそうだった。
健吾さんは退職して、
小さな設計会社を立ち上げていた。
自宅の一部屋を会社として登記していたので、
ほとんど一緒に過ごせた。
夜はずっと甘えん坊の恵吾さんが私達のベッドに潜り込んで来ていたので、
昼間、健吾さんの仕事部屋か寝室で、
愛し合っていた。
既に閉経してしまっていたから妊娠も気にすることがなくなり、
60代後半になった健吾さんは変わらず私を愛してくれて、
悦ばせてくれていた。
私もそんな健吾さんが愛おしくて、
お互いに時間を掛けて身体中にキスしては、
愛し合った。
慎吾さんには、
「良い方がいたら、
再婚すれば?」という話もしていたけど、
慎吾さんは少し複雑な顔をして首を横に振った。
健吾さんが、
「もしも恵吾のことが気になるのなら、
私達が特別養子縁組して育てるよ?」とも言っていたけど、
それについても、
「とんでもない!」と言っていた。
他のお子様よりゆっくりではあったけど、
その分、濃密な「親子関係」を築けたような気がした。
一番最初に口にした言葉は、
ママだった。
嬉しくて泣いてしまったその日のことは今でも鮮明に覚えている。
慎吾さんのことを、
パパと呼んで、
健吾さんのことも、
パパと呼んだ時は、
3人でキョトンとした後、笑ってしまった。
「いや、ジジで良いのにな?」と優しい顔で健吾さんが言って、
恵吾さんを抱き上げていた。
何にでも興味を持つ子で、
思いっきり絵を描いては紙からはみ出るので、
大きな模造紙を壁や床にセットして描いたり、
ピアノを一緒に弾いて歌ったりもした。
運動が苦手な私はお弁当を作って、
4人で出掛けて、
男3人が走り回ったり、
泳いだりするのをのんびり観たりしながら、
パラソルの下で過ごした。
幼稚園の入園式も4人で行って、
運動会やお遊戯会も出来るだけ3人で見守っていた。
スキー場では、
恐る恐る私も初心者クラスに入って滑って全身筋肉痛になってしまって、
「ソリの方が良いな」と言うと、
恵吾さんは、
「ママ、可愛い」と言って冷たい頬にキスをしてくれた。
恵吾さんがあっという間に幼稚園を卒園して、
地元の小学校に入学した頃には、
慎吾さんは東京の大学を辞めて、
名古屋の大学で教えるようになっていた。
准教授になり、少し忙しそうだった。
健吾さんは退職して、
小さな設計会社を立ち上げていた。
自宅の一部屋を会社として登記していたので、
ほとんど一緒に過ごせた。
夜はずっと甘えん坊の恵吾さんが私達のベッドに潜り込んで来ていたので、
昼間、健吾さんの仕事部屋か寝室で、
愛し合っていた。
既に閉経してしまっていたから妊娠も気にすることがなくなり、
60代後半になった健吾さんは変わらず私を愛してくれて、
悦ばせてくれていた。
私もそんな健吾さんが愛おしくて、
お互いに時間を掛けて身体中にキスしては、
愛し合った。
慎吾さんには、
「良い方がいたら、
再婚すれば?」という話もしていたけど、
慎吾さんは少し複雑な顔をして首を横に振った。
健吾さんが、
「もしも恵吾のことが気になるのなら、
私達が特別養子縁組して育てるよ?」とも言っていたけど、
それについても、
「とんでもない!」と言っていた。

