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ただ一緒に居たいだけ
第16章 再会と壁

お掃除にお願いしているダスキンさんに相談して、
もう1日、しばらく家事の補助に来て貰うことになった。
買い物に出たり、
動き回ることを、健吾さんが心配したからだった。
片方の方から名古屋風の味付けのお料理を教えて貰ったり、
もう片方の方からは、出身地の京都のお料理を教えて貰ったりした。
1ヶ月ほどして、
だいぶ身体も戻ってきた頃、
渉さん達の出産が近づいていた。
健吾さんにお願いして、
付き添いすることにした。
入院予定日の1週間前に、
本当に久し振りに元の自宅に行った。
メイちゃんはすっかり落ち着いていて、
お母さんらしくなっていた。
それでも予定日の2日前に破水してしまった時は、
震えて泣いてしまったので、
私が一緒で良かったと思った。
タクシーを呼んで、
用意していた荷物を持って病院に向かった。
タクシーの中から、
渉さんと健吾さんにも連絡をした。
「慎吾さんにも連絡する?」と訊くと、
「なんか、お兄ちゃん、最近イライラしてるから…。
ルカさんも感じ悪いし。
だから、連絡はいいんじゃないかな?」と言った。
病院の入り口では、看護師さんが車椅子を用意してくれていた。
それに座って、ひとまず、メイちゃんだけ診察室に入ったので、
私は入院の手続きなどをしていった。
陣痛の感覚はまだ開いていたけど、
少し深刻な顔で主治医が、
「お母様ですか?」と声を掛けられた。
「あの…。
何かあったんですか?」と訊くと、
「帝王切開にした方が安全なので、
お嬢さんに話をしたいんですけど」と言った。
「あの、私は義理の母なので、
夫にあたる息子が来てからでも間に合いますか?」と言うと、
「急いだ方が良いかもしれない」と言われた。
逆子が治らないままで、
破水もしてしまい、
臍の緒が絡んでいるかもしれない。
そう言われて、ことの重大さを実感した。
程なく渉さんが駆けつけたので、
お医者様に声を掛ける。
渉さんは迷わず、
「一番安全な方法でお願いします」と頭を下げて、
メイちゃんに話してくると言った。
そのまま、メイちゃんは手術室へと連れて行かれた。
朝から何も食べていなかったのが幸いしたようだった。
手術の途中に、健吾さんも来てくれた。
3人で廊下の長椅子に座って、
祈るような気持ちで待った。
もう1日、しばらく家事の補助に来て貰うことになった。
買い物に出たり、
動き回ることを、健吾さんが心配したからだった。
片方の方から名古屋風の味付けのお料理を教えて貰ったり、
もう片方の方からは、出身地の京都のお料理を教えて貰ったりした。
1ヶ月ほどして、
だいぶ身体も戻ってきた頃、
渉さん達の出産が近づいていた。
健吾さんにお願いして、
付き添いすることにした。
入院予定日の1週間前に、
本当に久し振りに元の自宅に行った。
メイちゃんはすっかり落ち着いていて、
お母さんらしくなっていた。
それでも予定日の2日前に破水してしまった時は、
震えて泣いてしまったので、
私が一緒で良かったと思った。
タクシーを呼んで、
用意していた荷物を持って病院に向かった。
タクシーの中から、
渉さんと健吾さんにも連絡をした。
「慎吾さんにも連絡する?」と訊くと、
「なんか、お兄ちゃん、最近イライラしてるから…。
ルカさんも感じ悪いし。
だから、連絡はいいんじゃないかな?」と言った。
病院の入り口では、看護師さんが車椅子を用意してくれていた。
それに座って、ひとまず、メイちゃんだけ診察室に入ったので、
私は入院の手続きなどをしていった。
陣痛の感覚はまだ開いていたけど、
少し深刻な顔で主治医が、
「お母様ですか?」と声を掛けられた。
「あの…。
何かあったんですか?」と訊くと、
「帝王切開にした方が安全なので、
お嬢さんに話をしたいんですけど」と言った。
「あの、私は義理の母なので、
夫にあたる息子が来てからでも間に合いますか?」と言うと、
「急いだ方が良いかもしれない」と言われた。
逆子が治らないままで、
破水もしてしまい、
臍の緒が絡んでいるかもしれない。
そう言われて、ことの重大さを実感した。
程なく渉さんが駆けつけたので、
お医者様に声を掛ける。
渉さんは迷わず、
「一番安全な方法でお願いします」と頭を下げて、
メイちゃんに話してくると言った。
そのまま、メイちゃんは手術室へと連れて行かれた。
朝から何も食べていなかったのが幸いしたようだった。
手術の途中に、健吾さんも来てくれた。
3人で廊下の長椅子に座って、
祈るような気持ちで待った。

