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ただ一緒に居たいだけ
第16章 再会と壁
新年度が始まって、
健吾さんは少し仕事が忙しそうだった。


渉さん達と慎吾さんには、
健吾さんと入籍したことを、
健吾さんから伝えて貰った。


渉さんとメイちゃんはとても喜んでくれていたそうで、
慎吾さんは、
言葉少なに「そうか。おめでとう」とだけ言っていたようだった。


妊娠出産のことは、
年齢が年齢だし、
恥ずかしいから言わないで欲しいと伝えていた。




その日は、
健吾さんが仕事に出た後、
ダスキンさんが来ることになっていた。

あまりにも散らかっているのは嫌で、
かといって、ずっとお願いしていた方達なので、
お断りするのもと思いながら、
簡単に水廻りの掃除をしていた時だった。


下腹部に激痛が走って、
蹲ってしまう、

脂汗が出て、
痛さで気絶しそうで、
うめいてしまった。


「やだ。
何、これ?」と思って、
携帯を探したけど、
起き上がることも出来ず、
そのまま意識を失っていた。


ダスキンさんがインターホンを鳴らしたのも気づかなかったようで、
合鍵で入ってきて、
倒れている私を発見してくれた。

女性のベテランスタッフさん達なので、
すぐに異変に気づいて、
救急車を呼んでくれて、
健吾さんにも連絡してくれた。


床に血液もついていて、
後から聞いたら綺麗に掃除をしてくれたそうだった。


病院に着いて、
すぐに手術室に入れられたけど、
その時のことは殆ど覚えていなかった。


胎盤ごと剥がれてしまって、
赤ちゃんの心音も途切れてしまった。
私も危ないかもしれない。


健吾さんはそう言われて、
「とにかく、美波さんを。
妻を助けてください」と言ったそうだった。




麻酔から醒めた時は、
病室で管をつけられて横になっていた。


健吾さんが涙ぐみながら、
私の手を握り締めていてくれた。



「赤ちゃんは…?」と訊くと、
哀しそうに首を横に振った。


私は堪え切れず声をあげて泣いてしまう。


健吾さんが抱き締めながら、
「美波さんも危なかったんだ。
私は神様に、
美波さんだけでも助けてくださいと言ってしまったよ。
ごめんね。
両方、守れなかった」と私に涙を落としながら言った。



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