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ただ一緒に居たいだけ
第16章 再会と壁
「独りで産もうとするなんて。
美波さんらしいけど、
そんなに私は頼りないかな?」


私は首を横に振りながら泣いていた。


「健吾さんに申し訳なくて、
悲しませたくなくて。
私が消えるのが一番だと思って…」


「ダメだよ?
消えないで?
一緒に居て?
美波さんの会社にも連絡したら、
退職したって言われるし、
渉くんも引っ越し先知らないのに呑気だし、
美波さんを永遠に失ってしまったと思ったら、
気が狂いそうだったよ?
結婚式の後、
母さんなんか放っておいて、
美波さんを追い掛ければ良かったって、
ずっと悔やんでた」



そして、私の左手をそっと握ると、
「この指輪、
ずっと嵌めててくれたんだね?
ありがとう」と言って手の甲にキスをすると、

「美波さん、私と結婚してください。
先は短いかもしれないけど、
命の限り、愛し続けるから。
お願いします」と言った。


「健吾さん。
本当に良いの?
赤ちゃんのことだって…」


「勿論、赤ちゃんごと、
美波さんを大切にする。
だって、2人の子供なんだから。
20歳になる時、
80のジジイだけど、
それこそ、本当に私でも良いのかな?
いや。
良いって言って欲しい。
明日、地震で死ぬかもしれない。
そんな不確かな時だからこそ、
一緒に居たい」


「健吾さん、ありがとうございます。
私、嬉しいです。
でも…」と言いながらも泣いてしまっている。


健吾さんはポケットから紅い小さな箱を出して、
蓋を開けた。


中にはダイヤモンドが輝くリングが入っていた。


「これ、ずっと持ち歩いてた。
渉くん達の結婚式の後で渡すつもりで、
日付もあの日のを入れてた」と言いながら、
最初にくれたリングに重なるように左手の薬指に嵌めてくれた。


そして、
もう一度抱き締めて長い口づけを交わした。

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