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ただ一緒に居たいだけ
第15章 霧の中

※大きな地震に関する記述が3ページほど続きますが、
こちらは作者の経験からのフィクションです。
不安を感じる方は読み飛ばしてください。
いつものような1日の筈だった。
ネットスーパーから重たい水や食品を運んで貰って、
のんびり針仕事をしながら過ごして、
ウトウトお昼寝をしていた午後。
突然、それは起こった。
いつまでも止まらず、
どんどん大きくなる揺れ。
立っていられなくて、
慌てて大きなダイニングテーブルに潜り込んだけど、
テーブルごと揺れているのが判る。
数分、揺れていたようで、
まだ、船に酔っているように眩暈がする。
テレビは持っていなかったので、
パソコンを起動してみる。
渉さんに電話をしてみたけど、繋がらない。
バスルームに行って、
取り敢えず、お湯を張っておきながら、
バケツにも水を溜める。
キッチンでも、お鍋やケトルに、
お水を溜めてみる。
また、余震。
何度も何度も携帯がヒステリックで不安を煽るような不協和音のアラート音を立てる。
私は怖くて震えていた。
そして、無意識に、
ずっと掛けることのなかった健吾さんの番号をダイヤルしていた。
勿論、繋がることはなかった。
外廊下に出てみるけど、
エレベーターは止まっている。
外に出るより、
構造的にしっかりしたこのマンションに居た方が安全かもしれないと思いながら、
ドアだけは念の為、開けておいた。
更に大きな余震。
下腹部に痛みが走った。
ダメ。
しっかりしないと。
不安になったりしたら、
赤ちゃんが居心地悪くなっちゃう。
こんな日は、
何かあっても救急車も来ないだろう。
そう言い聞かせながら、
携帯の充電をして、
懐中電灯やキャンドルをダイニングテーブルに並べた。
そして、健吾さんが鰻を食べに連れて行ってくれた時に買ってくれたスニーカーを出して、
底を綺麗に濡らした雑巾で拭いて、
リビングのソファに置いた。
避難しなければ行けない時に履く為。
それに、室内でも何か割れ物が倒れたりしてガラスが散らばったら、
履かなければいけないかもしれないと思った。
ソファでブランケットに包まるように丸まっていると、
少し痛みが引いてきた。
渡されていた名刺を見ながら、
パソコンから健吾さんにメールをした。
「会いたかった。
声が聴きたかった。
美波」
こちらは作者の経験からのフィクションです。
不安を感じる方は読み飛ばしてください。
いつものような1日の筈だった。
ネットスーパーから重たい水や食品を運んで貰って、
のんびり針仕事をしながら過ごして、
ウトウトお昼寝をしていた午後。
突然、それは起こった。
いつまでも止まらず、
どんどん大きくなる揺れ。
立っていられなくて、
慌てて大きなダイニングテーブルに潜り込んだけど、
テーブルごと揺れているのが判る。
数分、揺れていたようで、
まだ、船に酔っているように眩暈がする。
テレビは持っていなかったので、
パソコンを起動してみる。
渉さんに電話をしてみたけど、繋がらない。
バスルームに行って、
取り敢えず、お湯を張っておきながら、
バケツにも水を溜める。
キッチンでも、お鍋やケトルに、
お水を溜めてみる。
また、余震。
何度も何度も携帯がヒステリックで不安を煽るような不協和音のアラート音を立てる。
私は怖くて震えていた。
そして、無意識に、
ずっと掛けることのなかった健吾さんの番号をダイヤルしていた。
勿論、繋がることはなかった。
外廊下に出てみるけど、
エレベーターは止まっている。
外に出るより、
構造的にしっかりしたこのマンションに居た方が安全かもしれないと思いながら、
ドアだけは念の為、開けておいた。
更に大きな余震。
下腹部に痛みが走った。
ダメ。
しっかりしないと。
不安になったりしたら、
赤ちゃんが居心地悪くなっちゃう。
こんな日は、
何かあっても救急車も来ないだろう。
そう言い聞かせながら、
携帯の充電をして、
懐中電灯やキャンドルをダイニングテーブルに並べた。
そして、健吾さんが鰻を食べに連れて行ってくれた時に買ってくれたスニーカーを出して、
底を綺麗に濡らした雑巾で拭いて、
リビングのソファに置いた。
避難しなければ行けない時に履く為。
それに、室内でも何か割れ物が倒れたりしてガラスが散らばったら、
履かなければいけないかもしれないと思った。
ソファでブランケットに包まるように丸まっていると、
少し痛みが引いてきた。
渡されていた名刺を見ながら、
パソコンから健吾さんにメールをした。
「会いたかった。
声が聴きたかった。
美波」

