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ただ一緒に居たいだけ
第15章 霧の中
無事に引っ越しは終わったけど、
疲れが出たのか、
悪阻も酷いし、目眩もするし、
暫く寝込んで過ごしていた。


独りぼっちで心細くて、
泣きそうになる。


でも、独りで育てると決めたんだからと、
心を奮い立たせようと思いながら、
たいして美しくもない海を観て過ごした。


寒い冬の気配が和らいで、
少しずつ春の香りを感じるようになった3月に、
悪阻も治って、
体調も少し戻ってきたような気がした。


風邪なんかに罹らないよう気をつけながら、
昼間、お散歩をしたり、
買い物に出るようになった。


夏生まれになるから、
布おむつや肌着などを、
オーガニックコットンや麻素材で作ったり、
おくるみやお宮参り用の服を作って刺繍して過ごしたりした。


時々、近くの百貨店から、
美味しそうな食べ物や、
出産準備に使えそうなものを見繕って、
渉さんの処に送ったりしていた。


中に毎回、
手書きのカードを入れていたけど、
「仕事で忙しくてなかなか行けなくてごめんなさいね」と書いていた。



呑気な渉さんも、
流石に「お母さん、今、何処にいるんだよ?」と電話で言われるので、
携帯は常にマナーモードにして、
留守電にしていた。



ルカさんは、
私より予定日は少し早いのかな?
もう入籍したかしら?

と思いながらも、
連絡はしなかった。



そして、健吾さんにも、
とても連絡は出来ないと思った。


あんなに私を思い遣ってくれてたのに…。

他の男性との間に出来た子供を出産するなんて、
とても言えない。

まして、その相手は、
健吾さんの息子の慎吾さんだなんて言えないと思った。
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