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ただ一緒に居たいだけ
第15章 霧の中

結婚式当日。
スタッフ用の出入り口からそっと入って、
いつもお願いしている方に、
ヘアメイクと着付けをお願いする。
お腹のことに気付かれたくなくて、
長襦袢までは自分で着て、
「たくさんお食事もしたいから、
ゆったり着付けしてくださいね?」とウィンクして着付師さんにお願いした。
時間ギリギリまでバックヤードに居てから、
会社入りして会釈する。
普段、フランスに住んでいる私の両親が駆けつけてくれていたので、
チャペルでの式の直前リハーサルがてら、
親族の紹介をし合った。
健吾さんも慎吾さんも、
何か言いたげだったけど、
私は目を伏せて、
そのまま、浅川家側の控室に戻って、
久し振りの両親と話をした。
今回は来れなかったけど、
母方の祖母は高齢だけど元気にしているようだった。
祖母はフランス人で、
日本に来たことは2回しかなかった。
1回目は私の結婚式。
2回目は、渉さんが産まれた時。
だから、写真をたくさん撮って、
祖母に見せてねと話していたら、
涙が出てしまった。
妊娠中は涙脆いのかもしれない。
気をつけないと!と思った。
チャペルでの式は、とても厳かな雰囲気の中、
無事に終わった。
披露宴は、型通りに、
主賓の渉さんの会社の上司からのスピーチ、
乾杯と進んで、
ケーキ入刀や、いくつかのスピーチ、
お色直しと、少しリラックスした雰囲気になった。
テーブルにご挨拶しながら回る時は、
父が一緒に回ってくれた。
ゲーム仲間の席には、
マスターさん、サブマスターさんとその友達と、
ルカさんが居た。
「まさか、アンジェラさんとガブちゃんが、
親子だなんて、招待されるまで知らなかったよ」とマスターさんが言うと、
「ジュリさんとメイちゃんも、
最初、カップルだと思ってたけど、
兄妹だったなんてね!」と、サブマスターさんも笑う。
「ケンさんも、2人のお父さんとか、
凄いよね?
家族でゲームとか…」ともう1人が言う。
ルカさんは、言葉少なに、
「おめでとうございます」とだけ言って、
ビールを断って烏龍茶を飲んだ。
…妊婦さんだから、アルコールは飲めないというアピールなのかなと思ったけど、
そのまま流して席に戻った。
少し眩暈がする。
多分、貧血なんだろう。
スタッフ用の出入り口からそっと入って、
いつもお願いしている方に、
ヘアメイクと着付けをお願いする。
お腹のことに気付かれたくなくて、
長襦袢までは自分で着て、
「たくさんお食事もしたいから、
ゆったり着付けしてくださいね?」とウィンクして着付師さんにお願いした。
時間ギリギリまでバックヤードに居てから、
会社入りして会釈する。
普段、フランスに住んでいる私の両親が駆けつけてくれていたので、
チャペルでの式の直前リハーサルがてら、
親族の紹介をし合った。
健吾さんも慎吾さんも、
何か言いたげだったけど、
私は目を伏せて、
そのまま、浅川家側の控室に戻って、
久し振りの両親と話をした。
今回は来れなかったけど、
母方の祖母は高齢だけど元気にしているようだった。
祖母はフランス人で、
日本に来たことは2回しかなかった。
1回目は私の結婚式。
2回目は、渉さんが産まれた時。
だから、写真をたくさん撮って、
祖母に見せてねと話していたら、
涙が出てしまった。
妊娠中は涙脆いのかもしれない。
気をつけないと!と思った。
チャペルでの式は、とても厳かな雰囲気の中、
無事に終わった。
披露宴は、型通りに、
主賓の渉さんの会社の上司からのスピーチ、
乾杯と進んで、
ケーキ入刀や、いくつかのスピーチ、
お色直しと、少しリラックスした雰囲気になった。
テーブルにご挨拶しながら回る時は、
父が一緒に回ってくれた。
ゲーム仲間の席には、
マスターさん、サブマスターさんとその友達と、
ルカさんが居た。
「まさか、アンジェラさんとガブちゃんが、
親子だなんて、招待されるまで知らなかったよ」とマスターさんが言うと、
「ジュリさんとメイちゃんも、
最初、カップルだと思ってたけど、
兄妹だったなんてね!」と、サブマスターさんも笑う。
「ケンさんも、2人のお父さんとか、
凄いよね?
家族でゲームとか…」ともう1人が言う。
ルカさんは、言葉少なに、
「おめでとうございます」とだけ言って、
ビールを断って烏龍茶を飲んだ。
…妊婦さんだから、アルコールは飲めないというアピールなのかなと思ったけど、
そのまま流して席に戻った。
少し眩暈がする。
多分、貧血なんだろう。

