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ただ一緒に居たいだけ
第13章 甘い夜
「健吾さん…待って?
苦しくて…」と言うと、

「ごめん。
がっついてしまった」と笑う。


「あのね。
日曜日に、慎吾さんに言ったの。
お付き合い出来ないって。
年齢考えると無理だし、
親族になるからって…」

「うんうん。
…って、私ともダメなのかな?」

「えっ?」

「親族になるし、
年齢も離れてるよ?」

「親族になるのを考えると、
ややこしい関係は好ましくないと思いますよ?
年齢は、
慎吾さんほど、気になりませんけど。
ルカさん…。
あ、健吾さんはご存じない方ですけど、
慎吾さんくらいの年齢の方にね、
オバサンのくせに、慎吾さんをたぶらかしたのかって言われたの」

言葉にすると、
辛くなってしまって、
涙が出てしまう。


「確かにそうですよね?
子供ももう産めない年齢なのに」


「慎吾はなんて?」

「何も…。
その後は連絡ないですし。
あ、そんなこと、言われたなんて、
言ってませんよ?
誰かに言われたからじゃなくて、
自分で考えて決めたことなので」

「私とのこと、シンプルに考えて?
親族とかそういうの、横に置いてさ。
離れると、すぐに会いたくなる。
抱き締めたくて、
キスしたくて。
美波さんは、どうかな?」



「…私も…。
健吾さんと居ると、
安心した気持ちで落ち着きます。
家に帰っても、
どうしてるかなって思ったりして…。
でも、ややこしいのはどうかなって…」


「ややこしいかな?
好きだから抱き締めたいし、
キスもしたいだけだよ?」


そう言って、
本当に優しく額にキスをした。


健吾さんを見上げて、
小さい声で呟いてみる。


「甘えちゃっても良いの?」



健吾さんは少しだけ息を呑むと、
優しい顔で微笑んで、

「勿論だよ?」と言って、
私をフンワリと抱き上げた。


「やだ。
目眩がしちゃう」と言うと、

「だったら、目を閉じてて?」と囁いた。

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