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ただ一緒に居たいだけ
第12章 お別れの筈なのに

リビングに行って、
バッグからノートパソコンを出して無言で立ち上げてると、
「あの…。
お父さんは?」とメイちゃんが言う。
「顔を見て話したいって…」と言って、
メールを開くと、
健吾さんからオンライン会議の招待メールが届いていた。
クリックして、
zoomを立ち上げる。
「ほら、渉さん、
メイちゃんの椅子、こっちに置いて?
あなたは、中腰でも大丈夫?」
「話は判ったよ」と、
少し恐い顔で健吾さんが言う。
私は笑いそうになるのを必死で堪える。
「お父さん、申し訳ありません。
でも、さつきさんとの結婚、
認めてください。
お願いします」と、渉さんが頭を下げる。
メイちゃんも、
「お父さん、お願いします」と頭を下げる。
「勿論だよ」と、健吾さんが言うと、
2人は顔を合わせて固まってしまう。
「勿論、OKってこと?」とメイちゃんが重ねて訊くと、
「当たり前だよ。
こんなにおめでたい話なのに」と、
柔らかい顔で笑う。
「良かった〜」と、2人、
手を握り締めあっている。
「それで、今度の週末、
両家顔合わせ兼ねて結納して、
入籍もしようか?」と、さっきの話を健吾さんがする。
「ほら。
結婚式は今すぐって訳にはいかないけど、
入籍遅いと、
子供が大きくなって、
順番違うって思ったら可哀想だろう?」
「えっ?
結納って?」
「別に正式なものじゃなくて良いから、
家族で2人の結婚の決意の気持ちを聞いて、
指輪とか交換して、
婚姻届を書いて役所に届けようよ。
あ、さつき、悪阻とかは大丈夫なのか?」
「うん。
今のところは」
「だったら、尚更、今のうちにやろう。
それで、記念写真とか撮ろうよ?」
「指輪って、すぐに用意出来るのかしら?
刻印とか、お時間掛かる場合もあるわ?
好きなブランドとかもあるし」と私が言うと、
「おっ。
流石、仕事柄、詳しいな?」と渉さんが言う。
「お兄ちゃんも呼ばないとね?」
「ああ。そうだな」と、
健吾さんは少し喉に物がつかえたような声で言った。
バッグからノートパソコンを出して無言で立ち上げてると、
「あの…。
お父さんは?」とメイちゃんが言う。
「顔を見て話したいって…」と言って、
メールを開くと、
健吾さんからオンライン会議の招待メールが届いていた。
クリックして、
zoomを立ち上げる。
「ほら、渉さん、
メイちゃんの椅子、こっちに置いて?
あなたは、中腰でも大丈夫?」
「話は判ったよ」と、
少し恐い顔で健吾さんが言う。
私は笑いそうになるのを必死で堪える。
「お父さん、申し訳ありません。
でも、さつきさんとの結婚、
認めてください。
お願いします」と、渉さんが頭を下げる。
メイちゃんも、
「お父さん、お願いします」と頭を下げる。
「勿論だよ」と、健吾さんが言うと、
2人は顔を合わせて固まってしまう。
「勿論、OKってこと?」とメイちゃんが重ねて訊くと、
「当たり前だよ。
こんなにおめでたい話なのに」と、
柔らかい顔で笑う。
「良かった〜」と、2人、
手を握り締めあっている。
「それで、今度の週末、
両家顔合わせ兼ねて結納して、
入籍もしようか?」と、さっきの話を健吾さんがする。
「ほら。
結婚式は今すぐって訳にはいかないけど、
入籍遅いと、
子供が大きくなって、
順番違うって思ったら可哀想だろう?」
「えっ?
結納って?」
「別に正式なものじゃなくて良いから、
家族で2人の結婚の決意の気持ちを聞いて、
指輪とか交換して、
婚姻届を書いて役所に届けようよ。
あ、さつき、悪阻とかは大丈夫なのか?」
「うん。
今のところは」
「だったら、尚更、今のうちにやろう。
それで、記念写真とか撮ろうよ?」
「指輪って、すぐに用意出来るのかしら?
刻印とか、お時間掛かる場合もあるわ?
好きなブランドとかもあるし」と私が言うと、
「おっ。
流石、仕事柄、詳しいな?」と渉さんが言う。
「お兄ちゃんも呼ばないとね?」
「ああ。そうだな」と、
健吾さんは少し喉に物がつかえたような声で言った。

