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ただ一緒に居たいだけ
第12章 お別れの筈なのに
そして、ノロノロと慎吾さんのLINEを開けて、
一つ一つ読んで行く。

他愛のない内容。




仕事終わったよ。

これから飲み会。

飲み会終了。

帰宅した。

電話して良い?

声、聴きたい。


何度かの電話。


まだ、会食?

寝ちゃったのかな?

何度もごめん。

おやすみ。

あ、新幹線の時間、連絡してね?

早く会いたい。



今日も朝から、
何度かの着信。



まだ、仕事、終わらない?

何時に帰れそう?




読んでいる途中で、
既読に気づいたのか、着信のお知らせで携帯が震えるのをやり過ごして、

「今、新幹線の中だから」と書くと、

「品川、何時?」とすぐに返信が来る。


「ちょっと、風邪ひいたみたい。
うつるといけないから、
今日はタクシーで帰るね?
ごめんなさい」と書いた。


その後、返事は来なかった。


私は溜息をついて、
携帯の電源を切ってバッグに入れてしまって、
目を閉じた。
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