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この世は金で回ってる。
第4章 山姥
 数年前上司に言われた言葉が口をつく。
 嗚呼。俺も支配する側になったんだな。
 高揚感に股間が熱くなる。
 あいつらも俺をイビリながらこんな気持ちを味わっていたのだろうか。
 それならあれだけ執拗に苛めてきたのも判る。
 だってこんなに気持ちいいのだ。
 止めれるわけがない。
 グニュグニュ
 胸を揉みながら顔を近付ける。 
 「お前に許されてる言葉は4つだけだ。はい。ありがとうございます。ご主人様。ワン。ほら、言ってみろ!」
 耳元で怒鳴られ綱手の身が竦む。
 「は、はい。あ、ありがとうございます。ご、ご主人様。わ、・・・ワン。」
 吃りかお前は?
 まあ、いいか。
 胸の感触を楽しみながら視線を下に移す。なだらかな恥丘にうっすらと萌え始めた細い陰毛。
 その下でピタリと口を閉じている一本筋の秘裂。
 それを指で何度か擦る。
 この年まで親以外に触らせた事のない箇所を無遠慮に弄られ腰が反射的に逃げようとするが壁に阻まれてどうにも出来ない。
 少女を嬲った指を鼻に持ってきてクンクンと音を立てて臭いを嗅ぐ。
 眉根に深い皺を寄せ
 「くっせぇ~!風呂で洗ってないだろ?」
 「い、・・・ワン。」
 ほう。意外と頭がいい。
 いいえ、と言い掛けて許されてる言葉からワンを選んだ。
 「ワンじゃ判らない!洗ってないだろ?」
 「・・・・・・は、い。」
 洗ってないわけがない。実際たいして、臭いもしない。
 が、否定する言葉は許されていない。
 例え嘘でも自分が不潔な女の子だと認める言葉を口にするしかない。
 悔しくて悲しくて憎らしくて涙が溢れ落ちる。
 だがそれすら俺にはご褒美だった。
 舌を伸ばし頬を伝う塩辛い水を舐め上げ眼球を舌先で擦る。
 突然襲ってきた背筋を何千何万の蟻が這うようなゾワゾワした悪寒、その下に微かにある認めたくない快感。
 未知の強烈な刺激に思考が止まる。
 「気持ちいいのか?」
 「・・・はい。」
 一瞬の逡巡。
 気持ち悪い。
 目を舐めるなんて普通じゃない。
 穢らわしい。
 不潔。
 変態。
 思い付くだけの罵詈雑言を並べるが何故だろう。
 どれも今一つしっくりとこない。
 その戸惑いの答えが僅か、ほんの僅か。髪の毛一筋程の快感のせいだと本能的に気付いた瞬間思わず肯定していた。
 綱手は自分の言葉の意味に気付きハッとした顔をしたがもう遅い。
 
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