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この世は金で回ってる。
第4章 山姥
 さて、さて。
 鬼が出るか蛇が出るか。
 開錠しドアを開ける。
 そこに居たのは山姥だった。

 こんな田舎に似合わない高級そうなワンピースに耳、首、指にヂャラヂャラと悪趣味で派手なアクセサリーを纒い、鼻が曲がりそうな臭い香水の臭いを振り撒いているオバサンが立っていた。
 誰だ?
 目を三角にし目尻と口の端がピクピクと痙攣している。
 顔面は怒気を隠そうともせず真っ赤に染まってる。
 肩で荒い息をしている。
 恐い。恐すぎる。
 これで包丁持ってたら本物の山姥だ。
 「え~っとどちらさ」
 「沖田宗次郎さんですわね!」
 誰何の声を遮って硝子を引っ掻くような不快な金切り声を発す。
 うわぁ~。苦手なんだよこのての人間。
 内心頭を抱えながら仕方なく頷く。
 「アタクシPTA会長をしております足柄八重といいます。」
 はぁ。足柄山の八重桐だったら金太郎の母親の山姥だ。
 名は体を表す。
 昔の人は正しい事を言い残す。
 「貴方と木滝先生が不適切な関係ではとうい噂がありますの。」
 不適切ね。まあ主従関係に近いセフレはそう評されても仕方ないかな?
 「ちょっとこの家調べさせてもらいますね。」
 はぁ?
 何言ってるんだこのオバサンは!
 ズイズイと土間を進む山姥の前に両手を広げて通せんぼする。
 「なんで邪魔するんですか!やましい事がないなら見せれる筈でしょ!アタクシはPTA会長として学校の風紀を守る責任と義務があるんです!さっさとそこを退きなさい!」
 矢継ぎ早に浴びせられる怒声に一瞬で血の気が引く。
 前の会社にも居た居た。
 自分の正義に酔いしれて回りが見えなくなる迷惑な上司。
 こいつらは厄介な生き物で正攻法で真理をぶつけても逆ギレして独自の訳のわからない屁理屈を聖典よろしく振り回しこちらが折れるまで一方的に攻撃してくる習性を持っている。
 かつて上司から受けた精神的肉体的理不尽な仕打ちが思い出されフツフツと怒りが沸き上がる。
 「止まりなさい。」
 自分でも誉めてやりたい程冷静な声が出た。 
 「なに?ごちゃごちゃ言わないで退きなさいよ!」
 オバサンの手が俺の肩にかかる。
 「それ以上進むと住居不法侵入の現行犯で緊急民間逮捕し身柄を警察に明け渡します。」
 「五月蝿いわね!何を偉そうに言ってるのよ犯罪者が!」
 
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