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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第39章 内見
「こちらがご紹介する物件です。前の住人の方が出られたばかりで、清掃が終わっていない箇所がありますが…。」

そう言いながら、美月は狩野と中に入る。狩野は熱心に写真を撮りながら、美月の説明に頷いている。

『けっこう細かい人なのかな…?独り身で、こんな風に写真も撮る人珍しいな…。』

美月は昨日の叔父さんが放った余計な一言のせいで、若干狩野を意識しがちになりつつ、様子を見ていた。狩野は美月を待たせないように、美月の説明を聞き漏らさないように配慮しながら、写真を撮っている。

『こういう風に細やかな配慮出来る男の人なら…確かに良いわよね…。って仕事中に…そんなこと考えたら…駄目ね…。私もまだまだだわ…。』

美月は狩野の見えないところで頭を振り、余計な思考を振り払う。この物件は高級な分、説明しなければいけないところが多い。

『次は…ここの紹介しなきゃ…。』

美月は一つのドアの前に立つ。

「こちらがこの物件で1番の特徴である。防音室です。ピアノやギターなど音楽をされる方に人気です。狩野さんも音楽をなさっているんですか?」

細かくは聞いていなかったが、物件を選ぶ際に狩野が防音室があることに興味津々だったことを美月は覚えていた。

「ええ…。ギターを少し。下手の横好きですけどね…。それに今の部屋じゃ弾けないので、最近触ってないから…。」

少し照れたように答える狩野。美月はピアノを習っていたので、気持ちはよく分かる。

「私もピアノの習っていたので…。こういう部屋があるところには憧れますね。」

そう言ってドアを開ける。こじんまりとした小さめの部屋。中には何もないので、見るべきところは少ない。狩野は簡単に室内を見回すと、美月に提案する。

「すみません。私は外に出るので、中から大声で話していただけますか?どのくらい防音になっているのか、確かめたくて…。」

「いいですよ。たぶん私の声くらいじゃ、聞こえないと思います。」

「よろしくお願いします。」

ぺこりと頭を下げ、狩野が部屋を出る。ドアが閉まったのを確認し、美月は大声で狩野を呼んでみる。

外に出た狩野はカバンから必要なものを出しながら、耳を澄ませる。僅かに誰かの声が聞こえてくる。耳を澄まして、やっと聞こえるかどうか。気にしなかったら、気づかないレベルである。

狩野は防音がしっかりしていることに満足する。
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