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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第38章 キャンプ場
「そう…。美佳は…ああ見えて…異性関係はからっきしで…。」

「うん…。彼氏も…ほとんどいたことないみたいだし…。」

「やっぱりそうかぁ…。じゃあ…こうしよう…。今から向こうに行ってくるから、2人は休んでて…。美佳って娘に断られたら、すぐに戻ってくるから…。」

「ほ…本当に…行くつもりなんですか…?」

「や…やめたほうが…。」

2人は心配そうに言う。これ以上、友達を巻き込むのは気が引けると言ったところか。狩野は2人を安心させるように言う。

「何も無理やりするつもりはないよ…?2人がいるから、そんな危ない橋渡る必要ないし…。あくまでも、向こうが乗り気になればだから…。あっさりフラレてすぐ戻ってくる可能性が高いし…。そしたら…2人にはちょっとキツいかもしれないけど、たっぷり楽しませてもらうよ…?」

そう言って狩野は立ち上がる。

「い…行っちゃうんですか…?」

「少し休めば…。」

2人はブツブツ言うが、身体を張って止めるほどの余裕も体力もない。

「フラレても、一服してから戻るから…その間だけでも、寝ておきな…。目覚めたら…可愛がってあげるから…。」

2人の頭を撫で、シャツとパンツだけ履き、タバコを片手にテントを出る。愛奈と沙莉は顔を見合わせるが、結局、狩野を見送るしか出来なかった。

『さてと…。ふむ…。一服してから行くか…。』

狩野はすぐに美佳が眠るはずのテントに向かわず、タバコに火をつける。

『少し間を置いて…焦らしてから…行くかな…。』

狩野はそう考えながら、チラッと美佳達のテントを見る。遠目だが、視力の良い狩野にはしっかり見えていた。愛奈と一緒にテントを出る時にしっかり閉めたはずのテントが僅かに閉まりきっていないのを。


『なっ…なんなのよ…2人ともっ…!なんで…今日会ったばかりの人と…しちゃってるのよ…。しかも…3人で…。頭おかしいんじゃない…?』

寝袋の中で頭を抱える美佳。

そう。美佳は見てしまっていた。テントの中で愛奈と沙莉が嬌声を上げているのを。

慣れないキャンプに疲れていた美佳は寝袋に入って早々、深い眠りに着いた。しかし、慣れない寝袋での睡眠に、深夜と言える時間に目が覚めてしまった。

『あれ…?2人とも…いない…?どうしたのかしら…?』

美佳が寝返りをうつと、横に並ぶ2つの寝袋が空っぽになっている。
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