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第132章 （終章３８）

「かのん。あれ見て」

空港内の高級ブランド店でサングラスを試着している女の子を見て言った。

「美樹ちゃんかも」

かのんが言うと、二人は鏡でサングラスをかけた自分の顔をチェックしている女の子に近づいた。

「美樹ちゃん」と、かのんが声をかけると、サングラスをつけたまま二人を見て

「てか、これどう？似合ってへん？」

羅子は肩をすくめて

「美樹ちゃん。私達、美樹ちゃんをずっと探してたんだよぉ。連絡しても全然繋がんないしさぁ」

美樹はサングラスを外して

「ああ。ラインとかくれてたん？試着に夢中で全然気づかんかったわ」

美樹はサングラスを元あった場所に戻して

「もう一人の美樹は？」

美樹が羅子に聞くと、羅子は空港内に慌ただしく入ってきた警官や救急隊員を指さした。

「仕事が早い。さすがやね」

「別に仕事じゃないから」

淡々とした口調で羅子は言う。

かのんは美樹に近づいて

「それよりさ、イクはどこ？」