この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第16章 誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (後編)

口さがない事を言われるのを覚悟していたが、令嬢たちがサクナに向けたのは友好的なものだった。
しかし、それが王宮という場所。
「姫様、素敵なドレスですわ。社交界ではあまり見かけないタイプですのね」
「ありがとうございます」
社交界には流行というものがある。
令嬢たちはそれに合わせドレスを仕立てる。
サクナが着ているドレスは、締めつけのないAラインのドレス。ここずっと貴族たちの流行りはウエストを細く見せるドレスが流行っている。
サクナが着ているドレスはその真逆で胸下から足元まで広がったドレスで腰の細さがわからないようになっていた。
しかし、胸元から裾が広がるドレスは背の低いサクナをスタイルよく見せてくれる。
令嬢たちはこう言った流行や人の噂話が好きで、社交場での話題は大概そのどちらかだ。

