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シャイニーストッキング
第21章 もつれるストッキング5   美冴
 86 最悪でひどい夜…(10)

 その懐かしいゆうじと同じ漂うタバコの匂いが、鼻腔の奥を優しく撫でてきて…
 ふと脳裏に、また再び、ゆうじの存在感を浮かばせてきた。

 ゆうじ…
 そう、あのゆうじは貴男なんかよりずうっと魅力的で…
 もっと大きいオトコで…
「……………」
 わたしは、そんな昔のゆうじの面影を思い巡らせ…
 心の海を騒めかせ…
 そうだ…
 ゆうじの愛に溢れる目の色は…
 まるで穏やかな、深く、碧い海の色だった。

「ぁ…」

 すると、なぜかわたしは…
 そんなゆうじを思い浮かべ、巡らせていたら…
 ツン…と、鼻の奥が疼き…
 涙が溢れ、零れ落ちてきたのである。

 ツーと、頬に涙の伝い落ちる感覚が…

「ぁ…み、みさ…え……」
 そんなわたしの涙を見て…
 彼は、更に動揺の声を漏らし、そして…

「あ、い、いや…す、すまない…」
 慌てて、わたしの肩を抱き、そう呟いてきたのだ。

『すまない』

 え…
 それは…
 何に対しての謝罪なの?
 わたしへの…
『すまない』なのか?

「……え、な、何で……」
 わたしは鼻を啜りながら、肩を抱かれた彼の手を払い退け、見つめ…
 苛立ちの声音で問い返す。

「え…あ、いや……」
 彼はますます動揺の色を見せてくる。

「え、な、何で、謝るのっ」
 つい、苛立ちで、語気が強くなってしまう。

「すまないって…なに?
 何でわたしに謝るのよっ」

「あ、い、いや、そ、それは……」

「あぁ、ホント情けないわっ」
 そう、本当に情けないオトコ…

「そんな相手が違うんじゃないのっ…
 まずはさぁっ………」
 
 わたしは一気に苛立って、思わず声を荒げてしまうのだが…

『まずは…謝るべき相手は、ゆかりさんなんじゃないのっ』
 とは、なぜか言葉に、声に、出せないでいた。
 
 なぜか…

 それは…
 また、再び、心の奥深くから再沸してきた…
 わたしの醜い欺瞞の顕れ。

 いや違う…
 あの己の小ささを痛切に認識してしまった
『ヒガミ』という…

 欺瞞の残滓………





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