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シャイニーストッキング
第14章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり
 249 目覚め

「……おはよう……」

「………お疲れぇ…」



「…………んっはっ………」
 わたしはガヤガヤとした女性の話し声で、ハッと目が覚めた。

 あ…、眠ってしまった……か…
 と、意識の覚醒と共に一気に焦燥感に襲われる。

 え…、今、おはようって聞こえたけど…
 と、ドキドキしながら時計を見ると、午後11時半少し過ぎであった。

 あ、そうか、ちょうど今、中番と遅番の入れ替えの時間なのか…
 そう、ある意味、水商売の人達と同じ様に、ウチの夜間勤務のスタッフ達は、例え夜であろうと出勤時には
『おはよう…』と言っているのだ。

 わたしは一瞬、朝まで眠ってしまったのか…
 と、焦ってしまった。
 だが、さすがに、この部長室のデスクの陰で、壁にもたれてはそんな朝まで、つまりは6、7時間も眠れる筈が無い。
 その証拠に、僅か3、40分位の寝落ちなのだが、床に直接座っているお尻が
痛くなっていたのだ。

 ああ、つい、寝落ちしてしまったんだわ…

「ふうぅ…」
 お尻も、肩も、背中も少し痛い。

「よいしょ…」
 と、小さく声を出して、ゆっくりと立ち上がり、とりあえずデスクのイスに静かに座る。

 あと30分位はこの部長室に隠れていた方が無難だわ…
 そう、入れ替えての30分前後は化粧室やロッカールームの出入りが頻繁にあるのだ。

 とりあえずブラインドは下ろしてあるし、ドアはロックしてあるし、電灯も点けていないし…
 わたしは、静かに、あと少し待機する事にした。

 ホント、最後は杉山くんにヤラれたわ…

『ビッケ』のくせに…

 だが、まあ、基本的にはああまで煽ってしまったわたしが全部悪いのだが…


 杉山くんも男なんだわ…

 いや、男だったか…

 そして、カタチはどうあれ、とりあえず、やはり、ああして射精させた事は正解であったのだ…

『とりあえず男はさぁ、射精さえしちゃえばさぁ…落ち着くのよ……』
 そんな美冴さんとの会話が再び脳裏に蘇ってきた。

 ホント、とりあえず射精させといてよかったわ…





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