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シャイニーストッキング
第12章 絡まるストッキング6 和哉と美冴2

92 カウンターパンチ
「あっ、うっ…」
僕の手の力が一瞬にして緩み、抜けていく。
あっ、しまった、まただ…
電源を切っておくべきだった…
まさかダメ押しで今度はメールが来るとは…
これはメールの着信音のメロディであった。
それも真実専用のメールの着信メロディなのである…
「ふふ、和哉の着信音てかわいいわね…
真実さんのリクエストなのかな…」
すると、多分、焦燥感の表情を浮かべているであろう僕に、そう言ってきた。
正に、ノックアウトのカウンターパンチであった…
「あ……は、はい…」
まさか、一度ならず、二度までも、真実にやられてしまうとは…
僕はぐうの音も出なかった。
本当に真実は盗聴器をどこかに隠しているんじゃないのだろうか…
本気でそう感じられるタイミングの電話の着信であり、メールの着信といえるのである。
気付くと僕は、自ら手を離していた。
ああ、もうダメだ…
終わった…
せっかくあと一歩…
キスまで出来たのに…
もうリベンジは無いだろう…
「ふふ、なんか可愛くて、和哉らしいわ…」
美冴さんはニコニコしながらそう言ってくる。
とりあえず怒ってはいないようだ…
「じゃあ、とりあえず、わたしは帰るね…」
「あ……、は、はい…」
えっ、とりあえず…って。
そして美冴さんはジッと僕の顔を見つめ、
「じゃあ、明日ね…」
そう言って、なんと…
「あっ…」
僕に、軽くキスしてきたのである…
「明日ね…おやすみ…」
そしてそう言って踵を返し、有無を云わさぬ感じで、サッとヒールを履き、逃げる様に玄関を出て行ったのだ。
バタン…
無常にもドアは閉まった。
そして玄関には美冴さんの甘いムスク系の残り香が漂っていた…
『明日ね…おやすみ…』
脳裏に美冴さんの声がする。
そうだ、明日があった…
明日はお墓参りの為にレンタカーを借りて、朝から二人でドライブに行く約束をした…
そしてそれは美冴さんにはお墓参りでも、僕にとってはドライブなのだ。
明日…
微かに望みがあるかも…
僕はカウンターパンチの衝撃から、よろよろとかろうじて立ち上がったボクサーの如くに最後の希望を持ったのである。
ゼロではない…
ラストワンパンチに懸けるのだ…
「あっ、うっ…」
僕の手の力が一瞬にして緩み、抜けていく。
あっ、しまった、まただ…
電源を切っておくべきだった…
まさかダメ押しで今度はメールが来るとは…
これはメールの着信音のメロディであった。
それも真実専用のメールの着信メロディなのである…
「ふふ、和哉の着信音てかわいいわね…
真実さんのリクエストなのかな…」
すると、多分、焦燥感の表情を浮かべているであろう僕に、そう言ってきた。
正に、ノックアウトのカウンターパンチであった…
「あ……は、はい…」
まさか、一度ならず、二度までも、真実にやられてしまうとは…
僕はぐうの音も出なかった。
本当に真実は盗聴器をどこかに隠しているんじゃないのだろうか…
本気でそう感じられるタイミングの電話の着信であり、メールの着信といえるのである。
気付くと僕は、自ら手を離していた。
ああ、もうダメだ…
終わった…
せっかくあと一歩…
キスまで出来たのに…
もうリベンジは無いだろう…
「ふふ、なんか可愛くて、和哉らしいわ…」
美冴さんはニコニコしながらそう言ってくる。
とりあえず怒ってはいないようだ…
「じゃあ、とりあえず、わたしは帰るね…」
「あ……、は、はい…」
えっ、とりあえず…って。
そして美冴さんはジッと僕の顔を見つめ、
「じゃあ、明日ね…」
そう言って、なんと…
「あっ…」
僕に、軽くキスしてきたのである…
「明日ね…おやすみ…」
そしてそう言って踵を返し、有無を云わさぬ感じで、サッとヒールを履き、逃げる様に玄関を出て行ったのだ。
バタン…
無常にもドアは閉まった。
そして玄関には美冴さんの甘いムスク系の残り香が漂っていた…
『明日ね…おやすみ…』
脳裏に美冴さんの声がする。
そうだ、明日があった…
明日はお墓参りの為にレンタカーを借りて、朝から二人でドライブに行く約束をした…
そしてそれは美冴さんにはお墓参りでも、僕にとってはドライブなのだ。
明日…
微かに望みがあるかも…
僕はカウンターパンチの衝撃から、よろよろとかろうじて立ち上がったボクサーの如くに最後の希望を持ったのである。
ゼロではない…
ラストワンパンチに懸けるのだ…

