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シャイニーストッキング
第12章 絡まるストッキング6      和哉と美冴2
 87 焦燥感

 ああっ、しまった、着信音を消しておくのを忘れてしまっていた…

 いい意味での緊張の糸が切れてしまった…


 ブー、ブー、ブー…

 ♬♪♩♪♩♬♩♪♬♪♩…

 僕の携帯電話からは『夢の国』の明るいテーマソングの着信メロディが流れていた…

 そして僕達二人の想いの昂ぶりはギリギリまでピンと張り詰めていたから、この緩やかなテーマソングの明るい調べに、呆気なくその張り詰めていた緊張感という糸が
 プツン…
 と、音を立てたかのように切れたのが判ったのである。 


「あっ…」
 そう呟いた美冴さんの目が、一瞬にして素に戻っているのに僕は気付いたのだ。

 ああ、やってしまった…

 台無しだ…


 ブー、ブー、ブー…

 ♬♪♩♪♩♬♩♪♬♪♩…

 予想外の、いや、絶妙なタイミングで『夢の国』のテーマソングが携帯電話の着信メロディとして流れ続けている。


 しまった、音だけではなく、電源自体を切っておけばよかった…
 きっと着信は真実からであろう…
 僕は一瞬のうちにすっかり落ち込んでしまう。



「あ…、ぷっ、うふふ…」
 すると美冴さんはその着信メロディを聞いて、にこやかに笑ったのである。


 ブー、ブー、ブー…

 ♬♪♩♪♩♬♩♪♬♪♩…


「……す、すいません…」
 僕は思わず謝ってしまう。
 せっかくの雰囲気が、この場違いな着信メロディの調べによって台無しになってしまったのだ。

 僕達二人は、この絶妙なタイミングで鳴った、ある意味平和の象徴的といえる『夢の国』のテーマソングの着信メロディの和やかな調べに、お互いの昂ぶりによりピンと張り詰めさせていた緊張感を切らしてしまったのである。
 そして限界ギリギリまでにピンと張り詰めさせていたから、切れるのは簡単であったのだ。

 こんな着信メロディ如きで呆気なく、そして簡単に切れてしまうのである…

 僕の心に焦燥感が湧いてきていた。


「出ないの…」
 美冴さんは鳴り続けている携帯電話の着信メロディに対してそう言い、僕を電話に出る様に促してきたのだ。

 出たくはなかったが真実からの着信なのはバレバレであった…

 なぜにこのタイミングでの着信なのか…
 まるで探知機でも付けているかの様なタイミングである。

 僕はこの着信の、そういった意味からも動揺していた…





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