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シャイニーストッキング
第12章 絡まるストッキング6      和哉と美冴2
 50 朱美さん…

「僕、意外にモテるみたいで…」
 和哉は自信なさそうな口調なのだが、自信たっぷりな内容の言葉を云ってきた。

 だけどこの目の前にいる和哉を見ると、なんとなくその彼曰くの、『意外にモテる』という意味が分かる様な気がしてくるのである。

「実は、大学入ってからずうっと彼女がなんだかんだといたんです」
 と、云ってきた。

「そ、そうなんだ…」
 
 確かに笑顔の爽やかさ、それに清潔感があるし…

 聡明さと優しさが顔だけでなく、全体的な雰囲気から滲み出ているし…

 たまに見え隠れする大人の男の匂いも、そしてギャップを感じる笑顔に魅力を感じるし…

 確かに、それらがモテる要因なのかも…

「それも、全部、美冴さんのおかげなんです…」
「えっ、わたしのおかげって…」

「あの時の体験からなんだか僕は変わったらしくて…
 あれから以降、急にモテる様になったんです…」

「えっ……」
 そんな和哉の話しを訊いて、わたしは急に胸がザワザワしてきてしまった。

「ほら、あの時にいたパートの朱美さんにも『変わった』とか…
『大人っぽく、男っぽくなった』とか、急に云われ始めてきて…」
 その言葉を訊いて不意に昔の記憶が蘇ってきた。

 確かに朱美さんはそう云っていた…

 あの五年前、あのファミレスで一緒に働いていたパート主婦の朱美さん、よく自分で
『わたしはぁ、元ヤンでぇ、ヤリマンだったんですぅ…』
 と、云っていた。
 そんな自らヤリマンと称する位であったから、よく常連のお客とこっそり遊んでいたのも訊いていた。
 そんな彼女だから、わたしが和哉との禁断の夜を過ごした翌日の彼を見て、朱美さんは和哉の変化を敏感に察知していた。

 あの朱美さんならなんかわかるわ…

「そうしたら、夏休み明けに高校の同級生から突然告白されて…」
「へえ、そ、そうなんだ」
「あ、はい、それからなんです、なんか彼女が出来る様になってきていて…」

 胸のザワザワが止まらない、いや、ますます増してきていた…

「あの美冴さんとの体験からなんで、あれから急に僕が男になったのかなぁって…
 だから、美冴さんのおかげなんかなぁって…」
 と、和哉はわたしを見つめながら言ったのだ。
 そしてその目の輝きが、再び妖しくなってきていた。

 や、ヤバい、また火を点けてしまったか…





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