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シャイニーストッキング
第12章 絡まるストッキング6      和哉と美冴2
 48 不意の質問

 よしっ、上手く機先を逸らせられたみたいだ…
 和哉の目の輝きが落ち着いてきているように見えた。
 そしてオスの目から再び、昔からの、いつもわたしを見ていたあの憧憬の目の輝きに変わった、いや、戻ったように見えたのである。

 よしっ、いいぞ、少し落ち着いてきたみたいだ…

 そしてわたしは更に流れを変えようと話し掛けていく。

「あっそうだ、ねぇ…」
 と、和哉を見つめながら訊いていく。

「あ、はい…」

「ねぇ、和哉の彼女ってどんな女性なの?」

「えっ…」
 多分不意を突いた質問だったのだろうか、和哉はやや驚いた感じの声を漏らす。

 和哉の彼女…

 わたしは興味があった、いや、湧いてきていた。

「ねぇ、どんなタイプなの…」
「えっ、あっ」
「いいじゃん、教えてよぉ…」
 わたしはたたみかける。

「あっ、は、はい…」
「大学生なの?」
「い、いえ違います」
「ええ、じゃあまさか、高校生なの?」
「い、いえ違います」
「じゃあ、社会人なんだぁ」
「あ、はい、ええと、弁護士事務所で弁護士先生の秘書をしていると…」

「ええっ、弁護士秘書ぉ?」 
 わたしは予想外の答えに驚いてしまった。
 この目の前にいる和哉からまさか、そんな職業の彼女がいる様にはとても見えないし、想像もつかなかったからである。

「じゃあ年上なんだぁ…」
「いえ違います、二つ年下です」

「えっ、そうなの…」
 これもまた予想外の答えであった。

 弁護士秘書という堅い感じのイメージの職業だから、勝手に、わたしの想像が膨らんでしまい年上の女性だと一方的に思ってしまったのである。

「はい、二つ年下なんです」
 そう呟く様に言いながら、脳裏に彼女の顔を想い浮かべている様な表情をしてきていた。

「そうなんだぁ、なんかぁ、意外過ぎて驚いてしまったわぁ」
 これは本音の想いであったのだ。

 それは、てっきり女子大生か高校生で、同じファミレスでバイトでもしている女性だと勝手に想像をしていたからである。

 なんだぁ、ちゃんと青春してんじゃん…
 なんとなくだが、ホッとしたのだ。

 そんな事はないとは云ってはいたがわたしのことを追い続け過ぎて、本当は普通の大学生の男の子の様な青春的な事等をしなかった、いや、出来なかったんじゃないのか…
 と、内心思っていたから。
 



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