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シャイニーストッキング
第12章 絡まるストッキング6      和哉と美冴2
 35 真夏の夜の夢の終わり

 わたしを捜す…
 と、いう、この和哉の五年間の青春の、大学生活のテーマが、目標が、想いを遂げたのであるから、いや、果たせたのであるから、明るい和哉になったのだ。

 あの五年前のわたしの失踪の事が分かった…
 
 そして、これからの進路、人生最初の岐路の進むべき道標も指し示されて見えてきた…

 和哉の顔付きがすっかり変わった感じがする。

 ああ、昔の、あの五年前の和哉だ…

 あの和哉が、今、このわたしの目の前に蘇って現れた…

 あのかわいい、大好きだった和哉がいる…

 そして、ずっと、この五年間、わたしの脳裏の片隅にしまっておいた和哉との禁断の想い、あの罪悪感が消えたのだ。

 これで本当に、和哉とわたしの五年間が終わった…

 あの真夏の夜の夢の様な始まりの夜が、ようやく終わりを告げる事ができた…
 そう、心から実感し、思われた。

 それはこの目の前にいる和哉のスッキリとした顔を見て、更に実感されたのである。

 それにこの想いはまず第一に、和哉がスッキリできれば良いのであった。

 終わるのである…

「全部スッキリできたの?」
 とりあえず、わたしは訊いた。

「はい、全部スッキリしましたぁ…」
 にこやかに、軽やかに、和哉は返事をしてくる。

「これで僕の五年間の迷走の時間が終わり、終わりにできます…
 そして明日から、新しい一歩を踏み出す事ができそうです…
 美冴さんありがとう…」

「そ、そんな、ありがとうだなんて…
 元はといえば、わたしがあんな消え方しなければ…」
「それは、もういいんです、それを云ってしまうとまた、堂々巡りになっちゃいますから…」
「そうか…」

「それよりも、今も、いや、今迄以上に綺麗でいてくれてありがとうございます…」

 そんな和哉の言葉に、わたしは感無量の想いが湧いてきてしまうのである…

 そしてまだ、わたし達二人の再会の夜は終わらない…








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