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トパーズ
第21章 新しいステージ

出産後、半年程経った頃、
指導教授に同行して学会に出席することになった。
ギリギリまで論文の推敲などをお手伝いしていたので、
当日の朝、新幹線で名古屋入りして会場に行った。
学会初日が終わった後、
教授に付き合って会食に参加して、
その後もホテルの最上階のバーで皆様とご一緒した。
私は一滴も飲めないので、
お話を伺ってるだけだったけど、
お父様やお祖父様達と顔見知りの先生方ばかりだったらしく、
娘か孫を見るように優しくされた。
岳人さんの話も出たりもして、
子供達の話も聞かれて、
なんだか親戚のおじさん達と話しているようだった。
先生方と別れて自分で予約したホテルに行ったら、
とんでもないことをフロントで言われてしまった。
「大変申し訳ございませんが、
お部屋の空きはございません」
「一部屋も?」
「申し訳ございません。
系列のホテルも同様でございます」
私は疲れ切って、眠たくて途方に暮れていた。
そもそも、予約の日を1日間違えていた自分のミスだった。
その日は、いくつかの学会とアイドルのライブと野球のカードのせいで、
名古屋市内のホテルはどこも満室だそうだ。
せめて30分早く気づいていたら、
京都や静岡に移動することも出来たかもしれなかったけど、
新幹線の終電も終わっていて、
在来線でも何処まで移動出来るかも判らない時間だった。
その時、後ろから声を掛けられた。
「麻衣子ちゃん?」
ゆっくり振り返ると、
山本先生が立っていた。
何年振りのことだろう?
10年振り?
初めて寝た相手?
あれが初めてと言うのなら。
あの日のことは、
忘れていない。
そして、
何かあったら、
私はそれを公表して闘うことも厭わない。
そう思っていた。
でも、今は…。
岳人さんのこと。
子供達のこと。
家族のこと。
色々なことを考えても、
まだ、私は闘うことが出来るのかな?
一瞬のうちに、
様々なことを考えた。
指導教授に同行して学会に出席することになった。
ギリギリまで論文の推敲などをお手伝いしていたので、
当日の朝、新幹線で名古屋入りして会場に行った。
学会初日が終わった後、
教授に付き合って会食に参加して、
その後もホテルの最上階のバーで皆様とご一緒した。
私は一滴も飲めないので、
お話を伺ってるだけだったけど、
お父様やお祖父様達と顔見知りの先生方ばかりだったらしく、
娘か孫を見るように優しくされた。
岳人さんの話も出たりもして、
子供達の話も聞かれて、
なんだか親戚のおじさん達と話しているようだった。
先生方と別れて自分で予約したホテルに行ったら、
とんでもないことをフロントで言われてしまった。
「大変申し訳ございませんが、
お部屋の空きはございません」
「一部屋も?」
「申し訳ございません。
系列のホテルも同様でございます」
私は疲れ切って、眠たくて途方に暮れていた。
そもそも、予約の日を1日間違えていた自分のミスだった。
その日は、いくつかの学会とアイドルのライブと野球のカードのせいで、
名古屋市内のホテルはどこも満室だそうだ。
せめて30分早く気づいていたら、
京都や静岡に移動することも出来たかもしれなかったけど、
新幹線の終電も終わっていて、
在来線でも何処まで移動出来るかも判らない時間だった。
その時、後ろから声を掛けられた。
「麻衣子ちゃん?」
ゆっくり振り返ると、
山本先生が立っていた。
何年振りのことだろう?
10年振り?
初めて寝た相手?
あれが初めてと言うのなら。
あの日のことは、
忘れていない。
そして、
何かあったら、
私はそれを公表して闘うことも厭わない。
そう思っていた。
でも、今は…。
岳人さんのこと。
子供達のこと。
家族のこと。
色々なことを考えても、
まだ、私は闘うことが出来るのかな?
一瞬のうちに、
様々なことを考えた。

