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トパーズ
第15章 社会復帰
お父様は静かに話をした。

「ニューヨークに居た時に、
梨香子さんの様子がおかしいと思って、
こっそり後をつけたことがあったんだ。
ここの画廊に入って行って、
3時間後に出て来た梨香子さんは、
うっとりするほど妖艶で美しかったよ。
僕は何日かして、
絵を観るフリをして、店に入った。
初老のオーナーと名乗ったその男性が、
梨香子さんを美しくした主だと直感した。
でも、僕は勇気がなくて、
自信も持てなくて、
結局確かめることも出来ないままだった」



「私…。
とても酷いことを言ってしまったみたい。
ごめんなさい。
でも、これだけは。
岳人さんの喋り方も声も、
考え方もしぐさも行動も、
全部お父様そのものです。
だから、そういう意味で、
岳人さんのお父様はお一人だけだと思います」

私も話をしながら、
結局泣いてしまって、
山田くんに抱き締められて、
背中を撫でて貰うことになってしまった。


「でも…
遺伝学上のルーツとして会ってみたいなら…
年齢的にもご存命のうちに対面するという選択肢もあると思いました。
決めるのは、岳人さんだけど」


「僕は…
すぐには決められないかな?
それより、麻衣子さんとのことを、
話し合って決めたい」と言って、
ギュッと強く抱き締めた。




ぐぅ…


「やだ。
なんでこんな時にお腹鳴っちゃうの?
恥ずかしい…」と言うと、

「車で来てるから、
ランチしに行こうか?
それで、
フランス行きの相談でもしよう」とお父様が笑う。



3人で見晴らしの良いホテルの上階にあるレストランで、
ゆったりランチを取った。


ちょうどお盆休みが間も無く来るので、
その時にという話になった。

お母様はとても挨拶は出来ないけど、
久し振りにパリに連れて行きたいという話になり、
念の為、お祖母様も同行することにすれば安心だと言う方向になった。

お祖父様はどうだろう?とか、
ボソボソ低い声で話をするのを聴いて、

「本当にお二人、そっくりですね?」と笑うと、
同じような表情で眩しそうに笑った。


「でも…私の家、普通の家ですよ?
大きい病院のお家とか…
そちらから断られてしまいそう」と言うと、

「家と家が結婚するなんて、
昔の話だよ?
麻衣子さんは明るくて健康で頭が良い。
しかも岳人がベタ惚れだ。
他に何が要るというんだろう?」と笑われた。
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