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トパーズ
第15章 社会復帰
「お父さん、ありがとう」と、
山田くんが深々と頭を下げる。

私も同じように頭を下げると、

「麻衣子さんみたいな可愛らしい娘が出来るなんて、
本当に嬉しいよ。
ありがとう」と言って、手を握ってくださった。


「ご挨拶はいつ行こうかね?」と笑う。


「あの…赤ちゃんのことは、
良く考えます。
昨夜は…私、本当に嬉しくて、
岳人さんに無理強いしちゃったんです。
端ないこと。
でも、確かにきちんとひとつひとつ話し合います」と言った。


「いや、勿論、
孫が出来るなんて嬉しい話だから、
僕は今すぐだって構わないと思うよ?
それで、梨香子の状態が好転するかもしれないし。
2人でよく話し合って決めたことなら、
僕は応援するつもりだから」


「あの…もう一つ、伺いたいことがあります」


「なんだい?」


「岳人さんの本当のお父様のことです」


お父様は少し驚いた顔をする。


「ミケーレという名前の外国人だということは、
岳人さんから聞きました。
その人と岳人さん、会わないままで良いのでしょうか?」


「僕は…お父さんだけが父親だって思ってるから…」


「それは良く判るけど、
ルーツとして知りたくないのかなって。
自分が歳を取ってから、会いたいって思った時には、
相手が亡くなってましたってこともあるのかなって思ったの」


「多分、岳人は僕に遠慮してるんだと思う。
会ってみたいなら、止めないよ?
それで、僕と岳人の親子関係にヒビが入るとは思わないしね?」


お父様は、胸のポケットから薄いお財布を出すと、
その中から古ぼけたネームカードを出した。


「これ、岳人にいつか渡そうと思ってたんだ。
梨香子さんと僕がニューヨークに居た時に、
彼女が親しくしていた画廊のオーナーの名刺だよ。
多分、この人が…」


そこまで言うと、お父様は唇を震わせて涙を流してしまう。

岳人さんもお父様にしがみついて泣いた。
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