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Memory of Night 2
第20章 秘密のお薬

ーーそれからどれくらい時間が経ったのか、宵はベッドの中で目を覚ました。
(なんか、暑い……)
エアコンに視線を向ける。真夏は冷房をつけて寝ているが、旅行のあとだしつけ忘れたのかと思ったのだ。
けれどエアコンはついていた。枕元のリモコンを確認するが、設定温度もいつものまま。
宵は首をかしげた。晃は隣で穏やかな寝息を立てていて、どうやら暑さで目を覚ましたのは自分だけのようだとわかる。
体にかけているのも夏用の薄い毛布だけだった。なのに、この異様な寝苦しさはなんなのだろう。
その時、ふいに抱き寄せられた。もともと宵の腹辺りに緩くまわされていた晃の腕に力がこもった気がしたのだ。
だが、気のせいらしい。晃の口元からは、規則正しい呼吸音が聴こえてくるだけだった。
腕から伝わる体温、耳を撫でる息遣い、晃の匂い。心臓がやたらバクバクしていた。
(……なんでこんなムラムラすんの?)
下半身も反応し始めていて、宵は焦る。変な夢でも見たのだろうか。それともシャワー前、ソファーで押し倒されそうになったから、体が次の刺激を待っているのか。
ほんの数センチ先に晃の唇があった。
ーーキスしたい。

