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Q 強制受精で生まれる私
第15章 6.0 度目
 案の定私が部屋に入るなり扉が勢いよく閉まり、私は不審者によって、床に俯せの状態で押し倒される。胸部や肩を強く打ち付けるも、痛みに悶える暇もなく麻紐の様な物で、両手首を後ろ手に拘束されてしまう。

 手首を強く縛り付けるチリチリとした痛がゆさが茨や有刺鉄線で縛られている自分を思い立たせ、じっとりとこの身を濡らしていく。

「…どうしたんですか? やけに暴力的じゃないですか。らしくないですよ。」

「…黙れ。」

「何ですか、これ? 私を辱しめるためにわざわざ用意したんですか? 今まで上手いことやっていたのに、ここに来てあからさまな犯罪行為。さすがの私も今回ばかりは擁護できません。」

「黙れって言ってんだろっ!!」

 激昂と共に麻紐が斜め上後方に引っ張られて、腕がもげそうな痛覚と共に私は、背中を強制的に海老反りにされ上体を起こされる。全身の各所に走っては余韻が残る痛覚を和らげることもできないまま、先生は着々と処刑台の用意を始める。私の背後で何やらカラカラと準備に勤しむ先生は、その間も私に着けた枷のテンションを一切緩めない。

 あまり力仕事は得意じゃないのか、プルプルと限界まで力んでいるのが紐を通して手首に伝わる。そんなに力まなくても逃げも隠れもしないのにと思いつつ、手で押さえて和らげることすらできない痛覚達が、これはお前への罰だと訴えているようで、じりじりと私の身体を苛んでは息苦しさで満たしていく。

 その息苦しさはまるで毒をもって毒を制すが如く、粘るように残り続ける苦痛から逃れるために、新鮮な別の痛みを一刻も早くよこせと呼吸を乱していく。
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